広告国内最大手の電通は、ロンドン 証券取引所に上場している英広告会社イージス・グループを買収する。 総額3960億円で全株式を取得、日米欧アジアの基盤を充実させてグロー バル化する広告主の需要に対応する。

電通が12日発表した資料によると、買収価格はイージス1株当た り240ペンス(約300円)で、イージス株の11日終値に比べて48%高い。 買収総額は31億6400万ポンド(約3955億円)になる。英国法に基づくス キーム・オブ・アレンジメントという友好的な手続きで、裁判が招集す る株主総会や裁判所の承認を経て全株を取得する。

日本で業界首位の電通は米国でも、買収したマクギャリー・ボウエ ンを中心に事業基盤を拡大している。欧州地盤のイージスは新興市場や 日本以外のアジアで事業を広げている。電通はイージスとの事業展開で 日米欧アジアで顧客に統合的な広告サービスを展開できる。

SMBC日興証券の前田栄二アナリストは、長期的に日本での広告 市場の成長が見込めない中で「価格は安くないものの欧州に強いイージ ス買収はポジティブだ」と述べた。仏広告会社ピュブリシスとの提携を 2月に解消した電通にとって「イージスを連結子会社にできれば、持ち 分法適用会社だったピュブリシスの時よりも高いシナジー効果が見込め る」とも指摘した。

都内で記者会見した電通の中本祥一専務は、両社に地域の補完性が あることを強調した上で「将来的な利益への貢献度を計算すると買収価 格は妥当だ」と述べた。電通は手元資金や金融機関からの借り入れで必 要な資金を確保する。

12月に手続き完了

買収手続きとしてはまず、8月16日のイージス株主総会で出席株主 の過半数が承認して、その株主の議決権数が総数(電通保有株を除く) の75%以上であることが議決要件になる。続いて裁判所の承認を得て、 イージス株主に電通が対価を支払い全株を取得する。競争法当局の承認 を前提にして、取引の成立は12月ごろを予定している。

電通はイージス筆頭株主から15%の株式をすでに取得して、さらに 条件付での5%の追加取得や残り全株の応募などについて合意を得てい る。またイージス経営陣からは4.1%分の株式応募などについて合意を 得ている。

この案件での財務アドバイザー(FA)は、電通が三菱UFJモル ガン・スタンレー証券、イージスはグリーンヒル。ブルームバーグ・デ ータによれば、今年に入ってからの電通の買収は4件目になる。電通株 終値は前日比22円(1.0%)安の2306円。

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