7月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FOMC議事録は期待ほど追加緩和示唆せず

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがユーロに対して2年ぶり高 値に上昇した。午後に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC、6 月開催)の議事録は、追加緩和の必要性を示唆するとの期待に沿う内容 にはならなかった。これを受け、世界的な景気減速懸念と相まって逃避 需要によるドル買いが膨らんだ。

議事録が公表されると、ドルはユーロと円に対して上げ幅を拡大し た。議事録によれば、雇用を促進するため、金融当局は追加行動を取る 必要が恐らく出てくるとの認識を「数人のメンバー」が示した。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ジョー・マニンボ氏(ワシントン在勤)は「多くの投資家が予想 したほど議事録がハト派的でなかったことが、ドルを押し上げた」と し、「一方で当局者が年内の追加緩和の余地も残したたため、ドル高の 勢いは限定的だった」と解説した。

ニューヨーク時間午後4時51分現在、ドルはユーロに対して前日 比0.1%高の1ユーロ=1.2238ドル。一時、0.3%高の1.2213ドルとなる 場面も見られた。円に対しては0.4%高の1ドル=79円78銭。朝方 は0.4%下げていた。円はユーロに対して前日比0.3%安の1ユーロ=97 円62銭。一時は97円ちょうどと、先月4日以来の高値に上昇する場面も あった。

ドル指数

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は0.1%上昇の83.488。一時は83.610と、2010年7月以来の高水 準をつけた。

BOAの外国為替・金利テクニカル戦略責任者、マクニール・カリ ー氏(ニューヨーク在勤)はインタビューで、同指数が先月1日の高 値83.54を超えれば、85.32まで上昇するとの見通しを示した。同水準は フィボナッチ分析で2010年6月以降の下降トレンドの78.6%戻しの水準 に当たるという。一方、83を割った場合は戻りの弱さを示し、80.73に 下げると戻り基調の消滅を示唆するという。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ドルは過去1カ月で先 進9カ国の通貨に対し0.4%下落。ユーロとスイス・フランはそれぞ れ2.5%安と、下落率が最も大きかった。オーストラリア・ドルは3.9% 高と上昇率首位。ニュージーランド・ドルは3.7%上昇した。

FOMC議事録によると、参加者2人が追加の債券購入は適切だと 指摘した一方で、別の2人は失業の減少で「満足のいく進展」が見られ ないか、下振れリスクが増大した場合に追加購入は正当化されると主張 した。

ユーロ一段安

この日はオーストラリア・ドルがユーロに対して過去最高値を更 新。主要16通貨全てに対しても上昇した。商品相場が上昇したほか、同 国の消費者信頼感が2月以来の高水準となったことが手掛かり。豪ドル は対ユーロで0.6%高の1ユーロ=1.1943豪ドル。一時は0.7%上昇し て1.1936豪ドルを付ける場面もあった。米ドルに対しても0.5%高の1 豪ドル=1.0247米ドルとなっている。

商品24銘柄で構成するスタンダード・アンド・プアーズ(S&P) のGSCI指数は1.1%上昇した。

米投資顧問会社のBKアセット・マネジメントの為替マネジング・ ディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)は11日 付のクライアント向けリポートで、ユーロは豪ドルに対し1.2000豪ドル の水準を割り込んでおり、「さらにじりじりと下げる可能性がある」と 指摘した。

原題:Dollar Advances to Two-Year High Versus Euro on Outlook for Fed(抜粋)

◎米国株:S&P500が下げを消す-議事録で一部に緩和期待広がる

米株式相場は5営業日続落。ただS&P500種株価指数は取引終了 前の1時間で下げをほぼ埋める展開となった。米連邦準備制度理事会 (FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC、6月19-20日開 催)の議事録について、追加の刺激策が近いことを示唆していると一部 で受け止められた。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガン・チェースなど 金融株が高い。エクソンモービルは原油相場の反発を手掛かりに上昇し た。一方でデュポンやグーグルは下落。決算が予想に届かない可能性が あるとのアナリストの指摘が嫌気された。家電販売のベスト・バイも業 績への警戒から大幅安。

S&P500種株価指数は0.02ポイント(0.1%未満)安の1341.45。 一時0.6%安を付けた。ダウ工業株30種平均は48.59ドル(0.4%)下げ て12604.53ドル。

バンヤン・パートナーズのチーフ市場ストラテジスト、ロバート・ パブリク氏は電話インタビューで、「議事録では、どういった形にしろ FOMCによるコミットメントは全く見られなかった」と指摘。「特に 決算シーズンを迎えていることもあり、投資においては慎重なアプロー チを取る必要がある。私は楽観的だが、非常に素晴らしい決算シーズン になる可能性に賭けているわけではない」と続けた。

議事録

議事録の発表後、相場は一時下落に転じた。議事録では、参加者2 人が追加の債券購入は適切だと指摘した一方で、別の2人は失業の減少 で「満足のいく進展」が見られないか、下振れリスクが増大した場合に 追加購入は正当化されると主張した。ただ複数のアナリストが議事録の 内容を詳細に分析したことを手掛かりに相場は値を戻した。ジェフリー ズのエコノミスト、ウォード・マッカーシー氏は、量的緩和第3弾 (QE3)が今後数カ月のうちに発表される「十分な見込み」があると 指摘した。

市場では米経済の回復腰折れや企業利益の縮小に対する懸念が強ま っている。ゴールドマン・サックス・グループはこの日、4-6月(第 2四半期)の米国内総生産(GDP)成長率の予想を2度にわたり下方 修正し、1.3%とした。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、4-6月(第2四 半期)のS&P500種を構成する企業の利益は前年同期比で1.8%減が予 想されている。実際に減益となれば、2009年以降では初めて。売上高 は2.5%増が見込まれている。利益は7-9月(第3四半期)が3.9% 増、10-12月(第4四半期)は15%増がそれぞれ見込まれている。

需要鈍化

フェデレーテッド・インベスターズのポートフォリオマネジャー、 マシュー・コーフラー氏は「需要の鈍化見通しが確実になり始めてい る」とし、「鍵となるのは、その需要鈍化が広範ではあるが浅く短期間 なものなのか、もしくはより深く長期にわたるものなのかのどちらに市 場の結論が行き着くかという点だ。その決定を下すには時期尚早だ。こ の問いは今後2週間続くことになるだろう」と述べた。

BOAは2%高の7.63ドル。JPモルガンは1%上昇し34.59ド ル。

エクソンは1.5%高の84.38ドル。ベスト・バイは8.4%安の19.37ド ルだった。

原題:S&P 500 Erases Loss as Investors Look for Stimulus Sign From Fed(抜粋)

◎米国債:10年債利回りが最低付近、入札やFOMC議事録を材料視

11日の米国債市場では10年債利回りが過去最低水準に迫った。この 日実施された10年債入札(210億ドル)で最高落札利回りが過去最低だ ったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委 員会(FOMC、6月19-20日開催)の議事録で、追加行動を取る必要 が恐らく出てくるとの認識を示したメンバーが数人いたことが材料とな った。

入札では年金基金や保険会社を含む機関投資家からの需要が強かっ た。入札結果によると、最高落札利回りは1.459%。ブルームバーグが まとめた入札直前の市場予想は1.518%だった。前回の最高落札利回り は6月実施時の1.622%だった。

クレディ・スイスのストラテジスト、カール・ランツ氏は「世界的 に質の高い債券への買いが見られる」と述べ、「欧州の状況が改善せ ず、米国の経済統計も景気の弱さを示す中で米国債の需要は強く、今後 も続くだろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時32分現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上げて1.51%。一時は1.45%と、6月1日に記録した過去最 低の1.4387%に迫った。同年債(表面利率1.75%、償還期限2022年5 月)価格は2/32下げて102 6/32。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値では、年末ま でに10年債利回りは1.9%に上昇する。

入札結果

入札結果によると、投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.61倍 と、2010年4月以来の最高。前回の3.06倍を上回った。過去10回の平均 値は3.07%となっている。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の落札比率は45.4%であらゆる利付き国債入札の中で過去最高。落 札規模は95億3000万ドル。前回よりも51億6000万ドル多かった。

CRTキャピタルのストラテジスト、デービッド・エーダー氏は、 この需要がどこから生じているのか「分からない」と述べ、「規模を考 えると、大勢の投資家が偶然にも応札したということではないだろう。 単独か少数の投資家による取引だとみている」と分析した。

今年に入り、10年債入札における直接入札者の落札比率は平均 で21.1%。30年債は14.9%となっている。

間接入札の比率

外国の中央銀行を含む間接入札の落札に占める比率は40.6%だっ た。10年債入札過去10回の平均値は42.2%となっている。プライマリー ディーラーが落札した比率は14%と、あらゆる利付き国債入札の中で最 低だった。

米財務省は12日に30年債(130億ドル)の入札を実施する。

FOMC議事録によると、「数人のメンバーは、十分な雇用の伸び を促進し、インフレ率が委員会の目標に確実に沿うようにするため、追 加の刺激策が必要になる公算が大きいとの見解を表明した」と記され た。

短期債を売却し期間が長めの証券を同額購入するオペレーションツ イスト(ツイストオペ )に基づき、米金融当局はこの日、償還期 限2018年7月から2019年6月までの証券47億7000万ドルを購入した。

原題:Treasuries Approach Record Low After Note Auction, Fed Minutes(抜粋)

◎NY金:続落、時間外で一段安-FOMC議事録は追加緩和示唆せず

ニューヨーク金先物相場は続落。米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録は追加緩和を示唆しなかった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表したFOMC議事録による と、政策当局者は追加緩和を講じた場合のリスクについて検討した。一 部のメンバーは、米国債を過剰に購入すれば、ある時点で米国債市場の 機能悪化につながり、政策の意図する効果が限定される可能性があると 指摘した。数人の当局者は追加刺激が恐らく必要になると主張した。

ペンション・パートナーズの主任投資ストラテジスト、マイケル・ ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「紙幣増刷はま だ再開されていないため、短期的には金を保有する理由がない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.3%安の1オンス=1575.70ドルで終了した。通常取引終 了後の電子取引で一段安となり、午後2時53分現在では0.5%安 の1572.50ドルで推移している。

原題:Gold Drops for Second Day as Fed Refrains From Stimulus Signals(抜粋)

◎NY原油:反発、在庫減少と製油所の稼働率上昇で買い

ニューヨーク原油先物相場は反発。米エネルギー省の統計で原油在 庫の減少と製油所の稼働率上昇が示されたことを手掛かりに、買いが膨 らんだ。

先週の原油在庫は470万バレル減少の3億7820万バレルと、マイナ ス幅はブルームバーグがまとめたアナリスト予想の3倍余りとなった。 製油所の稼働率は92.7%で、2007年7月以来ほぼ5年ぶりの高水準。同 統計によると、ガソリンと留出油は予想以上に増加した。

プレステージ・エコノミクス(テキサス州オースティン)のジェイ ソン・シェンカー社長は電話インタビューで、「原油在庫が470万バレ ル減少したというのは大きな衝撃で、相場を押し上げる要因となった」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比1.90ドル(2.26%)高の1バレル=85.81ドルで終了。年初から は13%値下がりしている。

原題:Oil Rises on Crude Supply Decline, Refinery Activity (Correct)(抜粋)

◎欧州株:総じて安い、FOMC議事録の発表控え慎重

11日の欧州株式相場は総じて安い。米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録の公表を控え、様子見の商状となった。投資家は議 事録に追加刺激策の兆候を見極めようと注目している。

英高級ブランドのバーバリー・グループは年初来安値を付けた。4 -6月(第1四半期)売上高が市場予想に届かなかったことが手掛か り。銀行株が売られ、イタリアのウニクレディトとフランスのBNPパ リバの下げが特にきつい。スウェーデンの医療手術機器メーカー、ゲテ ィンゲは3.9%上昇。下期の増益率が「大幅に改善する」との見通しが 買い材料。

ストックス欧州600指数は255.59で終了。下げ幅は0.1%未満。前日 の取引では英国の製造業生産とイタリアの鉱工業生産が予想に反して増 加したことを手掛かりに、同指数は1週間ぶりに上昇した。

マーケット・セキュリティーズの欧州チーフストラテジスト、ステ ファーヌ・エコロ氏は「FOMC議事録が注目されている。追加刺激策 の準備があることが示されると期待されている」とし、「市場に明確な 方向性はなく、FOMC議事録が最大の材料であるのは間違いない」と 続けた。

12日の西欧市場では、18カ国中11カ国で主要株価指数が低下した。

原題:Most European Stocks Fall Before Fed Minutes; Burberry Declines(抜粋)

◎欧州債:独10年債利回り、1カ月ぶり低水準-スペイン債は続伸

11日の欧州債市場で、ドイツ10年債利回りが1カ月ぶり低水準 を付けた。同国がこの日実施した41億5000万ユーロ相当の国債入 札で利回りが過去最低となったことが手掛かり。

スペイン国債は続伸。ラホイ首相は議会演説で財政緊縮の詳細を 明らかにするとともに、金融不安の解消に向けた交渉は厳しいものに なるとの見方を示した。ドイツ2年債利回りは4営業日連続でマイナ スとなった。この日発表された6月の独消費者物価指数(CPI)改 定値で、インフレ鈍化が確認された。フランス国債の2年物と5年物 利回りも過去最低を記録した。

ロイズ・バンキング・グループの債券ストラテシスト、エリッ ク・ワンド氏(ロンドン在勤)は、「建設的な入札だ」とし、「応札 利回りは市場での水準を優に上回っていた。利回りがこうした水準に あることは、中核国の国債が堅調なことを引き続き示している」と続 けた。

ロンドン時間午後4時28分現在、ドイツ10年債利回りは前日 比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.27%。一 時は先月6日以来の低水準となる1.264%まで下げた。同国債(表面 利率1.75%、2022年7月償還)価格はこの日、0.475上げ

104.455。2年債利回りはマイナス0.016%まで下げた後、マイナ ス0.013%となった。6日にはマイナス0.018%まで低下した。

ドイツ連邦銀行(中央銀行)の発表によると、ドイツ10年債入 札で落札利回りは過去最低の1.31%となった。6月13日の前回入 札では1.52%だった。

スペイン10年債利回りは前日比23bp低下の6.58%。イタリ ア10年債利回りは14bp下げて5.82%。

英国債

英10年債相場は上昇し、利回りは前日比3bp低下の1.56%。 一時は1.55%と、先月1日以来の低水準となった。同国債(表面利 率4%、2022年3月償還)価格はこの日は0.255上げて

121.795。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来リターンは3%。これに対 し米国債は2.5%、ドイツ国債は3.6%となっている。

原題:Bund Yields Fall to 1-Month Low on Auction as Spain Bonds Rise(抜粋) Pound Rises to Strongest Since 2008 Versus Euro on Safety Demand (抜粋)