南スーダン産原油積載タンカー、シンガポール沖で立ち往生

シンガポール沖合15マイル(約24キ ロメートル)以上の洋上で船体が黒と赤のタンカーが約150日間立ち往 生している。積み荷は約6000万ドル(約48億円)相当の南スーダン産原 油。20年間にわたる紛争の余波で、南スーダンとスーダンが売却する権 利をそれぞれ主張している。

南スーダンはこのタンカー「ETC Isis」の積み荷と約200 万バレルの原油についてスーダンが盗んだと主張。スーダンは原油を売 却する権利を主張している。この原油は南スーダンの年間経済生産の約 7日分以上に当たる。積み荷をめぐりロンドンの弁護士、カイロの船 主、日本の買い手、英領バージン諸島のディーラー、世界3位の石油ト レーダーであるトラフィギュラ・ビヘーアを巻き込み国際的な騒ぎにな っている。

同時に価格と買い手・売り手が公表されない商品現物市場と、当局 の監督を受けながら投資家が数十億バレルの原油先物とオプションを日 々取引するニューヨークやロンドンの市場との違いも浮き彫りになって いる。

シンガポールの法律事務所ワトソン・ファーリー・アンド・ウィリ アムズのパートナー、マーク・タン氏は「原油とタンカーをめぐる2国 間の争いは収拾がつかなくなっている。積み荷については常に慎重な方 がよい。積み荷が問題になることはよくある」と述べた。同氏は14年以 上の弁護士経験があり、海運関連訴訟の責任者を務めている。

ブルームバーグのまとめたデータによると、ETC Isisにつ いてはロンドン、シンガポールで訴訟は起こされていない。

2005年に22年に及ぶ内戦が終ったスーダンは11年7月に分裂。南ス ーダンが日量47万バレルの原油生産の75%を取り、スーダンが外国に油 送するパイプラインと施設を運営している。南スーダンが施設使用料を どれだけ払うかをめぐって両国の争いは絶えない。

原題:Sudan Crude Marooned Off Singapore Shows Trade as War Victim (2)(抜粋)

--取材協力:Kit Chellel、Anthony DiPaola、Sherry Su.

淡路毅 +81-3-3201-2107 tawaji@bloomberg.net