債券上昇、長期金利が約9年ぶり低水準-超長期債の需要好調が支え

債券相場は上昇し、長期債利回り が約9年ぶりの水準に低下した。前日の30年債入札で投資家需要の強 さがあらためて確認されたことで、超長期債を中心に買い安心感が広 がった。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は横ばいの0.795%で始まり、午前10時過ぎに0.5ベーシスポイント (bp)低い0.79%に低下。午後にかけて同水準で推移し、午後2時過 ぎには1bp低い0.785%と、新発10年債利回りとしては2003年6月 30日以来の水準まで切り下げた。5年物の105回債利回りも0.5bp低 い0.185%と03年6月以来の低水準を付けている。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「きの うの30年債入札が好調だったことが支援材料になっている。これまで 中長期債の需給は良かったものの、超長期債は出遅れていて重たい展 開だった。しかし超長期債の需給が改善しており、投資家からの買い が入っている」と説明している。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比横ばいの144円08銭で 取引を開始。いったん4銭安の144円04銭まで下落したあとは買いが 入り、午前に4銭高の144円12銭まで上昇。午後は同水準近辺での推 移が続いていたが、午後2時前からじりじりと上昇し、結局、この日 の高値となる8銭高の144円16銭で引けた。

超長期債の堅調続く

超長期債は前日に続いて堅調。20年物の137回債利回りは2bp 低い1.595%と、6月4日以来の1.6%割れとなり、30年物の36回債 利回りも2.5bp低い1.81%と、6月4日以来の水準まで下げている。

10日に実施された30年債入札では、需要の強さを示す応札倍率 が4.09倍と昨年1月以来の高水準となった。SMBC日興証券の土井 俊祐氏は「警戒されていた30年債入札というイベントを順調に消化し、 生命保険が買っていたという思惑も広がれば超長期債は買いやすくな る。10年債の0.8%割れを買い進むには抵抗感がある一方、超長期債 はフラットニング(平たん化)圧力が続くのではないか」と話した。

三井住友海上あいおい生命保険経理財務部の堀川真一部長は「昨 日の30年債入札を通過し、超長期債が堅調。30年、20年債は他の年 限に比べて金利水準を考えたら妙味があるとの見方から買いが入って いる」と話した。

一方、日銀はきょうから12日までの日程で金融政策決定会合を開 く。今回の会合について、2日発表の企業短期経済観測調査(短観) で大企業の景況感が改善したほか、円相場が小康状態にあることなど から現状維持を予想する見方が優勢。ブルームバーグが日銀ウオッチ ャー13人を対象に行った調査では9人が現状維持を予想した。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今回の会合について、 「2年債利回りの0.1%割れが示すように、利下げへの思惑も多少織 り込まれているようだ。政策据え置きを見込むが、少なくとも緩和提 案をする委員が出ておかしくないともみている」と言う。また、三菱 UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラテジス トは、資産買い入れ等基金の5兆円拡大を予想している。

--取材協力:池田裕美、船曳三郎 Editors:山中英典、青木勝

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