7月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、高利回り資産買いで-対ドル2年ぶり安値

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要16通貨の全てに対し て下落。ドルに対しては2年ぶり安値に沈んだ。ユーロを売って高利回 り資産を買う動きが広がった。

ユーロは対オーストラリア・ドルで過去最安値を付けた。欧州中央 銀行(ECB)が先週5日に政策金利を過去最低に引き下げたことか ら、金利差が拡大した。円は主要通貨のほとんどに対して上昇。欧州債 務危機の解決に見通しがつかないとの懸念からリスク意欲が後退した。 英ポンドは対ユーロで約3年ぶり高値に上げた

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレク ター、ジャック・スピッツ氏(トロント在勤)は「結局のところ、今の 市場は臆することなくユーロを売り持ちする」と指摘。「好材料が全く 出てきておらず、この流れが続く公算が大きい」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時43分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.5%安の1ユーロ=1.2252ドル。一時は最大0.6%下げて1.2235ドル と、2010年7月以来の安値を付けた。円に対しては0.7%下落して1ユ ーロ=97円28銭。一時、97円23銭と先月5日以来の安値に下げる場面も 見られた。円はドルに対して0.2%高の1ドル=79円40銭。

一方、オーストラリア・ドルは対ユーロで0.3%高の1ユーロ =1.2022豪ドル。一時は1.1988豪ドルまで上昇する場面もあった。米ド ルに対しては0.2%安の1豪ドル=1.0190米ドル。対円では0.4%下げて 1豪ドル=80円92銭となっている。

資金調達通貨

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロは足元で主要な資金調 達通貨となっており、誰もがユーロの売り持ちを望んでいる」とし、 「ドルは以前ほど中心的な資金調達通貨ではなくなった」と指摘した。

キャリートレードでは投資家は借り入れコストの低い国の通貨を売 って、高利回り通貨を購入する。日米の政策金利はゼロ近辺であること から、円とドルは従来から資金調達通貨として用いられてきた。これに 対しオーストラリア準備銀行(中央銀行)の政策金利であるオフィシャ ル・キャッシュレートの誘導目標は3.5%に設定されている。ECBは 今月5日、政策金利を0.75%に引き下げた。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は、10日に9.37%を付け、日中の値動きとしては2カ月ぶり低水準 に近づいた。過去1年間の平均は11.5%。ボラティリティが低いほど、 より高利回りの通貨の投資妙味が強まる。

スペイン銀行

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、イタリア債の購入や 早期のスペイン銀行支援の可能性へ向けた地固めが行われたものの、こ の日はユーロ売りが膨らんだ。会合では欧州救済基金を用いた国債市場 への介入策が話し合われ、スペイン銀行に対し月内に300億ユーロの融 資を開始する見通しとなった。

ユーログループのユンケル議長は、スペイン向け融資は同国の銀行 再建基金(FROB)を通じて行われるが、欧州の銀行監督の一元化が 実現し次第、直接の資金注入に切り替えることを目指すと説明した。

また、スペインの財政赤字削減については、対国内総生産 (GDP)比率で3%に抑えるという条件の達成期限を2014年へと1年 延長した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去1カ月で2.6%下落。ニュージーランド・ドルは 上昇率が最も大きく3.2%に達した。豪ドルがそれに続き2.9%高となっ ている。米ドルは0.2%、円は0.1%それぞれ下げた。

原題:Euro at 2-Year Low as Investors Use It for Higher-Yield Assets(抜粋)

◎米国株:S&P500種が4日続落、5月以降で最長-業績を警戒

:米株式相場は4営業日続落。企業決算をめぐり懸念が広がった。 S&P500種株価指数は5月以降では最長の連続安となる。

半導体製造装置のアプライド・マテリアルズやエンジンメーカーの カミンズが売上高見通しを下方修正したことを背景に、テクノロジー株 と産業株が安い。両セクターはアナリストの収益見通しがS&P500種 の中で上位にある。パソコン用プロセッサーメーカーのアドバンスト・ マイクロ・デバイシズ(AMD)は大幅安。売上高予想の下方修正が嫌 気された。ユーロが対ドルで2年ぶり安値となったことを手掛かりに素 材株が売られた。

S&P500種株価指数は前日比0.8%安の1341.47。過去4営業日の 下落率は2.4%となった。ダウ工業株30種平均は前日比83.17ドル (0.7%)下げて12653.12ドル。

キーコープ(クリーブランド)のプライベートバンキング部門チー フ投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は電話インタビューで、 「より大きな懸念は向こう数四半期の動向だ」とし、「期待外れな決算 は、低調さが今四半期だけでなく、今後も続く可能性が高いことを示唆 するものだ」と述べた。

株価は朝方上げていたが、企業利益の見通しへの懸念から下げに転 じた。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、4-6月(第2 四半期)のS&P500種を構成する企業の利益は前年同期比で1.8%減が 予想されている。実際に減益となれば、2009年以降では初めて。売上高 は2.5%増が見込まれている。利益は7-9月(第3四半期)が3.9% 増、10-12月(第4四半期)は15%増がそれぞれ見込まれている。

欧州情勢

ブリュッセルで開かれたユーロ圏財務相会合は、スペインの銀行へ の最大1000億ユーロの融資を早期に開始することで合意した。スペイン を財政危機から守るため、コストを同国政府のバランスシートから外す 可能性もある。これに反応し、米国株は一時上昇した。

LPLファイナンシャルのエコノミストで投資ストラテジストのジ ョン・カナリー氏は、「欧州発のニュースは正しい方向への新たな一歩 だが、まだ先は長い」と指摘。「そして米国では決算シーズンを迎えて いる。いつものことだが、実際の決算よりも見通しの方がずっと重要 だ」と述べた。

S&P500種では業種別10指数のうち8指数が下落。特に産業、素 材、テクノロジーの下げが目立った。景気敏感株で構成するモルガン・ スタンレー・シクリカル指数は1.6%安。半導体株の指標であるフィラ デルフィア半導体株指数(SOX)は2.3%下げた。

AMDは11%安の4.99ドル。下落率は昨年9月以来で最大。同社製 品の需要は、中国の景気減速や欧州の経済情勢悪化で打撃を受けつつあ る。

アプライド・マテリアルズ、カミンズ

アプライド・マテリアルズは2.7%安の10.71ドル。同社は通期の売 上高・利益見通しを下方修正した。

カミンズは8.9%の86.91ドル。同社は需要鈍化や景気減速を理由に 売上高の予想を下方修正した。

ドル上昇で資源への投資妙味が減退したことから、素材株が下落し た。アルミ生産のアルコアは4.1%安の8.40ドル。9日発表した第2四 半期決算では、利益と売上高が市場予想を上回ったものの、株価は値下 がりした。

フィフス・サード・バンク(シンシナティ)のチーフ市場ストラテ ジスト、ジョン・オーガスティン氏は「相場の上昇をもたらすのは企業 決算だ」とした上で、「きのうのアルコア決算で良いスタートが切れた が、残りの決算シーズンで上向きのサプライズが出るとは見込んでいな い」と続けた。

原題:S&P 500 Has Longest Decline Since May Amid Earnings Concern(抜粋)

◎米国債:上昇、3年債入札好調-欧州危機深刻化の懸念で安全投資

10日の米国債市場では10年債利回りが過去最低水準に迫った。この 日実施された3年債入札(320億ドル)で需要が過去の平均値よりも高 かったことが影響した。欧州ソブリン債危機が米国の経済成長を圧迫し ているとの懸念を背景に、安全投資先としての米国債の魅力が増した。

10年債利回りは約1カ月ぶりに1.5%を下回った。米財務省が実施 した3年債入札の結果によると、投資家の需要を測る指標の応札倍率 は3.52倍と、過去10回の平均値(3.45倍)を上回った。11日には10年債 入札が実施される。

バンク・オブ・モントリオール傘下BMOキャピタル・マーケッツ の政府債トレーディング責任者、スコット・グレアム氏(シカゴ在勤) は、「帳簿には安全な資産だけを保有したいという資産保護目的の取引 がみられる。投資家は何か変化が生じるまで、不安を抱えてうずくまっ ている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて1.50%。一時は1.4964%と、6月4日以来初め て1.5%を下回った。6月1日には過去最低の1.44%を記録した。同年 債(表面利率1.75%、償還期限2022年5月)価格は2/32上げて102 1/4。

30年債利回りは2bp下げて2.60%。既発3年債の利回りはほぼ変 わらずで0.35%。

入札結果

3年債入札で最高落札利回りは0.366%と、ブルームバーグがまと めた入札直前の市場予想(0.367%)を若干下回った。

外国の中央銀行を含む間接入札の落札に占める比率は30%だった。 過去10回の入札の平均は35.5%。プライマリーディーラー以外の直接入 札者の落札比率は10.2%。過去10回の入札の平均は9.9%。

米財務省は11日に10年債(210億ドル)、12日に30年債(130億ド ル)の入札を実施する。10年債利回りは入札前取引で1.51%と、入札で の最高落札利回りとしては過去最低水準となる。6月13日に実施され た10年債入札では最高落札利回りが1.622%と過去最低だった。

米国債リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、3年債のリターンは年初から0.3%。米国債全体では2.5%となって いる。2011年の3年債リターンは3.4%、米国債全体では9.8%だった。

GMPセキュリティーズの債券ストラテジスト、エイドリアン・ミ ラー氏は顧客へのリポートで、「投資家は欧州が総合的かつ時宜を得た やり方で進展していると確信していない」と指摘。「経済統計が景気の 弱さを示唆するごとに、米金融当局による量的緩和第3弾の可能性が引 き続き高まる」と続けた。

原題:Treasuries Rise on Auction Demand Amid European Crisis Concern(抜粋)

◎NY金:反落、中国輸入やドル上昇で商品全般に売り-1579.80ドル

ニューヨーク金先物相場は反落。他の商品につれ安となった。市場 予想を下回る中国の輸入の伸びやドルの上昇を背景に、金の需要が減退 した。

中国の6月の輸入は前年同月比6.3%増加した。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は11%増だった。商品24 銘柄で構成するS&PのGSCI指数は一時1.2%値下がり。ドルは主 要通貨のバスケットに対して一時0.4%上昇した。金は今月に入っ て1.5%下落している。

RJOフューチャーズの商品ブローカー、フィル・ストライブル氏 シカゴ在勤)は、「商品投資を避けるというのがきょうの一般的な動き だ」と指摘。「ドルが上昇していることも、金が下げている要因だ」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8 月限は前日比0.6%安の1オンス=1579.80ドルで終了した。

原題:Gold Drops as Commodities Fall on China Imports, Dollar Rebound(抜粋)

◎NY原油:反落、ノルウェーのスト終結や中国の原油輸入減で

ニューヨーク原油先物相場は反落。西欧最大の原油輸出国ノルウェ ーでのストが終結したことで生産停止が回避されたほか、中国の原油輸 入が減少したことから、売りが膨らんだ。

ノルウェー政府は、海上施設の石油・天然ガス労働者が2週間以上 続けてきたストを終結させるため強制仲裁を命じ、ロックアウトを回避 した。中国の税関総署の10日発表によれば、6月の同国の原油輸入は純 ベースで今年の最低水準になった。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケッ トアナリスト、フィル・フリン氏は「スト終結のニュースは確実に相場 の下押し圧力となっている」と指摘。「これにより、供給に関する懸念 がまた一つなくなった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日 比2.08ドル(2.42%)安の1バレル=83.91ドルで終了。年初から は15%値下がりしている。

原題:Oil Declines as Norway Ends Energy Strike, Chinese Imports Fall(抜粋)

◎欧州株:上昇、スペイン銀行支援や経済指標好感-ASML高い

10日の欧州株式相場は1週間ぶりに上昇。英国の製造業生産とイタ リアの鉱工業生産が予想に反して増加したほか、ユーロ圏諸国がスペイ ンの銀行支援の早期開始で合意したことが手掛かりとなった。

オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディング は2008年以降で最大の上げとなった。米インテルがASMLに最大41億 ドル出資することが好感された。英銀バークレイズは2.2%上昇。同行 のマーカス・エイジアス会長は、ロバート・ダイアモンド前最高経営責 任者(CEO)が繰り延べ支払いの賞与受け取りを辞退したと語った。

一方、フランスの医薬品メーカー、イプセンは11%急落。米規制当 局が同社の2つの臨床試験を中断させたことが売り材料。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の255.60で終了。週間ベー スでは6週連続で上げており、このままいけば10年4月以降で最長の上 げ局面となる。

ETXキャピタル(ロンドン)のドイツ担当セールストレーディン グ責任者、マーカス・フーバー氏は「イタリアと英国の経済データが予 想よりも良かった」とし、「良いニュースが待望されていただけに、市 場はこれを歓迎した」と続けた。

英政府統計局(ONS)が10日発表した5月の製造業生産指数は前 月比1.2%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト26 人の調査では中央値で0.1%低下が見込まれていた。同時に発表された 5月の英鉱工業生産指数は前月比1%上昇。

スペインの銀行向け支援についてユーロ圏財務相会合(ユーログル ープ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)は、月内に300 億ユーロを融資すると発表。将来的にはユーロ圏の救済基金から銀行へ の直接資本注入を可能にすることで、スペイン政府の負担を増やさない 方針も明らかした。

この日の西欧市場では、ギリシャとアイスランドを除くすべての市 場で主要株価指数が上昇した。

原題:European Stocks Gain as U.K., Italy Manufacturing Tops Forecasts(抜粋)

◎欧州債:スペイン10年債上昇、利回り7%下回る-英国債変わらず

10日の欧州債市場ではスペイン10年債相場が5営業日ぶりに上 昇し、利回りは7%を下回った。ユーロ圏各国がスペインの銀行向け 救済融資の迅速な実施で合意したことが手掛かり。

スペイン向け措置で債務危機波及を食い止められるとの観測が広 がり、イタリア国債も上昇した。ユーロ圏財務相会合(ユーログルー プ)は月内に300億ユーロをスペインに融資することで合意した。ド イツ2年債利回りは3営業日連続でマイナスとなった。オランダはこ の日、25億5000万ユーロ相当の3年債を過去最低の利回りで発行。 ギリシャも6カ月物証券の入札を実施した。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、ピーター・ チャットウェル氏は「スペインとイタリアの国債が若干買われた」と 述べた。ユーロ圏の会合から「多少悪い材料が出てくると見込まれて いた。ショート(売り持ち)ポジションを多少解消する動きもあった」 と続けた。

ロンドン時間午後4時29分現在、スペイン10年債利回りは前 日比24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の6.82%。 同国債(表面利率5.85%、2022年1月償還)価格は1.58上げ

93.31。イタリア10年債利回りは15bp低下し5.96%。

ユーログループはスペインが財政赤字を国内総生産(GDP)比 率で3%未満に縮小する期限を1年先送りして2014年とすることを 支持。同国向け融資の残存期間は平均12.5年で、最長15年となる 見通し。救済基金から銀行への直接資本注入を可能にすることで政府 の負担を増やさない方針。

ドイツ2年債利回りはゼロ。一時はマイナス0.016%と、6日に 付けた過去最低のマイナス0.018%に近づいた。10年債利回りはほ ぼ変わらずの1.32%。6月1日には1.127%まで下げ、これまでの 最低を記録した。

英国債

英10年債利回りは一時、1週間で最大の上げとなった。英政府 統計局(ONS)が10日発表した5月の製造業生産指数は前月比

1.2%上昇し、エコノミスト予想(0.1%低下)に反して上昇したこ とが手掛かり。

10年債利回りは1.59%でほぼ変わらず。一時は1.61%に達し た。同国債(表面利率4%、2022年3月償還)価格は0.04下げ

121.54。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来リターンはプラス3.1%。 これに対しドイツ国債はプラス3.6%、スペイン国債はマイナス

6.5%となっている。

原題:Spanish 10-Year Yields Fall Below 7% as Leaders Speed Up Bailout(抜粋) Pound Rises to 3 1/2-Year High Versus Euro on Manufacturing Gain(抜粋)

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