NY外為:ユーロ下落、高金利資産買い-対ドル2年ぶり安値

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロが主要16通貨の全てに対して下落。ドルに対しては2年ぶり安値に 沈んだ。ユーロを売って高利回り資産を買う動きが広がった。

ユーロは対オーストラリア・ドルで過去最安値を付けた。欧州中央 銀行(ECB)が先週5日に政策金利を過去最低に引き下げたことか ら、金利差が拡大した。円は主要通貨のほとんどに対して上昇。欧州債 務危機の解決に見通しがつかないとの懸念からリスク意欲が後退した。 英ポンドは対ユーロで約3年ぶり高値に上げた

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレク ター、ジャック・スピッツ氏(トロント在勤)は「結局のところ、今の 市場は臆することなくユーロを売り持ちする」と指摘。「好材料が全く 出てきておらず、この流れが続く公算が大きい」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時43分現在、ユーロは対ドルで前日 比0.5%安の1ユーロ=1.2252ドル。一時は最大0.6%下げて1.2235ドル と、2010年7月以来の安値を付けた。円に対しては0.7%下落して1ユ ーロ=97円28銭。一時、97円23銭と先月5日以来の安値に下げる場面も 見られた。円はドルに対して0.2%高の1ドル=79円40銭。

一方、オーストラリア・ドルは対ユーロで0.3%高の1ユーロ =1.2022豪ドル。一時は1.1988豪ドルまで上昇する場面もあった。米ド ルに対しては0.2%安の1豪ドル=1.0190米ドル。対円では0.4%下げて 1豪ドル=80円92銭となっている。

資金調達通貨

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「ユーロは足元で主要な資金調 達通貨となっており、誰もがユーロの売り持ちを望んでいる」とし、 「ドルは以前ほど中心的な資金調達通貨ではなくなった」と指摘した。

キャリートレードでは投資家は借り入れコストの低い国の通貨を売 って、高利回り通貨を購入する。日米の政策金利はゼロ近辺であること から、円とドルは従来から資金調達通貨として用いられてきた。これに 対しオーストラリア準備銀行(中央銀行)の政策金利であるオフィシャ ル・キャッシュレートの誘導目標は3.5%に設定されている。ECBは 今月5日、政策金利を0.75%に引き下げた。

JPモルガン・チェースの指数によると、主要7カ国(G7)通貨 の3カ月物オプションのインプライドボラティリティ(IV、予想変動 率)は、10日に9.37%を付け、日中の値動きとしては2カ月ぶり低水準 に近づいた。過去1年間の平均は11.5%。ボラティリティが低いほど、 より高利回りの通貨の投資妙味が強まる。

スペイン銀行

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)では、イタリア債の購入や 早期のスペイン銀行支援の可能性へ向けた地固めが行われたものの、こ の日はユーロ売りが膨らんだ。会合では欧州救済基金を用いた国債市場 への介入策が話し合われ、スペイン銀行に対し月内に300億ユーロの融 資を開始する見通しとなった。

ユーログループのユンケル議長は、スペイン向け融資は同国の銀行 再建基金(FROB)を通じて行われるが、欧州の銀行監督の一元化が 実現し次第、直接の資金注入に切り替えることを目指すと説明した。

また、スペインの財政赤字削減については、対国内総生産 (GDP)比率で3%に抑えるという条件の達成期限を2014年へと1年 延長した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは過去1カ月で2.6%下落。ニュージーランド・ドルは 上昇率が最も大きく3.2%に達した。豪ドルがそれに続き2.9%高となっ ている。米ドルは0.2%、円は0.1%それぞれ下げた。

原題:Euro at 2-Year Low as Investors Use It for Higher-Yield Assets(抜粋)

--取材協力:Lucy Meakin、Lindsey Rupp.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE