バークレイズ辞任劇、引き金は中銀総裁の「支持失った」発言

英銀バークレイズのマーカス・エイ ジアス会長は10日、イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁から 2日の時点でロバート・ダイアモンド最高経営責任者(CEO、当時) が当局からの支持を失ったと通告され、これをダイアモンド氏に伝えた ことを明らかにした。ダイアモンド氏の辞任劇の舞台裏が露呈した。

ダイアモンド氏は3日に辞任。前日のロンドン時間2日午後6時ご ろに、キング総裁はエイジアス会長のほか、当時バークレイズの監査委 員会会長だったマイケル・レーク氏と会い、ダイアモンド氏に引導を渡 すよう暗に促したという。エイジアス会長が英下院・財務特別委員会で の証言で語った。

それによると、キング総裁はこの場で、バークレイズに命令する権 限は自身にないと認めた上で、「どのような状況であるかを明瞭な言葉 でバークレイズに伝えることが十分に重要だと感じている」と述べた。 エイジアス会長はこのやりとりで「ダイアモンド氏が当局者の支持を失 ったことを極めて明確に認識した」と証言した。

バークレイズはロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の操作を図 った問題で2億9000万ポンド(約360億円)の制裁金を科され、エイジ アス会長が辞意を表明した後、ダイアモンド氏ともう1人の幹部が辞任 することになった。

キング総裁との対話の後、エイジアス会長は非執行役員らを集めて 取締役会を開き、それからダイアモンド氏に接触したという。

同会長は「いかなる決断も、取締役会またはダイアモンド氏が下す ものだ」ということがキング総裁から明確に示されたと証言した。

会長がキング総裁のメッセージをダイアモンド氏に伝えると、同氏 は家族と話してから心を決めたいと答えたという。財務特別委のタイリ ー委員長は「つまり、弾丸を込めた拳銃を渡したわけですね」と問い返 した。

エイジアス会長は、ダイアモンド氏が「まだ心を決めていなかった にしても、正しい決断をするだろうと信じてその場を去った」と語っ た。

バークレイズの制裁金について明らかになった6月27日の「水曜の 夜には、ダイアモンド氏はまだ当局の支持を得ていたが、7月2日の月 曜夜にはそれがもうなくなっていた」とエイジアス会長は振り返った。

原題:King Told Agius Diamond No Longer Had Regulator Support (1)(抜粋)