格付けは重要性失った-知り過ぎた元S&P幹部が指摘

格付け会社による評価は1世紀以上 にわたり政府や企業による資金調達コストの決定に役立ってきたが、も はや世界の大口投資家に信頼されなくなっている。米格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)の元ストラクチャード・ファイナ ンス責任者が指摘した。

S&Pを昨年12月に解雇されたデービッド・ジェーコブ氏はニュー ヨークのブルームバーグ本社でインタビューに応じ、「格付け会社があ るのはなくてはならないものだからであって、信頼されているからでは ない」と指摘。「リテール(小口)投資家は信頼しているかもしれない が、不幸な人々だ。機関投資家は信頼していないと思う」と付け加え た。

格付け会社はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン債 権を裏付けとした証券の格付けをつり上げ、大恐慌後で最悪の金融危機 を招く一因となったことを受けて、債券市場での評判は一段と低下して いる。S&Pは昨年8月に米国を格下げしたものの、米国債の利回りは 過去最低水準を付けた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスによ る先月の世界の大手投資銀行15行の格下げでは、金融機関の債券の保証 コストは低下した。

S&Pの信認回復を図るために4年前に採用されたジェーコブ氏 は、格付け会社への依存度を低下させる十分な措置を政策当局は講じて いないと指摘する。

格付けビジネスは現在、S&Pとムーディーズ、フィッチ・レーテ ィグスが優位に立っており、3社の年間総収入は合計で40億ドル (約3200億円)。3600人のアナリストが世界で43兆ドル規模の債券市場 に流通する273万の証券を格付けしている。

ジェーコブ氏(53)は「格付けは神の聖なる仕事ではなく、ビジネ スだ。一定の市場シェア獲得を目指すことと信頼性を失うことの微妙な バランスの上にある」と語った。

S&Pとムーディーズ、フィッチの3社はジェーコブ氏の発言につ いてコメントを控えている。

原題:Man Who Knew Too Much About Ratings Says They Aren’t Meaningful(抜粋)

--取材協力:Christine Harper.

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