JPモルガン沈黙を守るリスクモデルの秘密-投資家は蚊帳の外

米銀最大手JPモルガン・チェース で数十億ドルのトレーディング損失が発覚し、米国の監督当局が今後規 制の対象とする可能性が高い金融業界の慣行が衆目の下にさらされた。 トレーディングリスクの計算手法を投資家には秘密にしておくという慣 行がそれだ。

JPモルガンは、トレーディングリスクを評価する数学モデルの修 正がチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)部門の損失を助長 する結果になった事実を5月10日に遅ればせながら開示し、米証券取引 委員会(SEC)がこの問題を調査している。SECの元当局者3人に よれば、JPモルガンが不適切な形で重要な情報を投資家に秘密にした ことをSECは証明する必要があるだろうが、ウォール街の金融機関に リスクテークの情報開示拡大を求める監督当局の圧力が強まる公算が大 きいという。

SECの法務部門に勤務した経験があり、現在はチューレーン大学 (ニューオーリンズ)の准教授(法学)を務めるエリザベス・ノウィッ キ氏は「JPモルガンでは、極めて職位の高い法令順守と財務の担当者 でさえも、リスクモデルの真に重大な変更に関する情報共有を重要だと 考えていないようだとSECと投資家は思い知らされている」と指摘す る。

これまでのところ、JPモルガンは最新の四半期報告で、モデリン グ技術の改善を反映する形で絶えずリスクモデルの調整が行われている という注意書きを加えており、SECは金融機関に対し、重大なモデル 変更とその理由を開示するよう公然と圧力をかけている。

重大な変更も知らせず

ブルームバーグのデータによれば、銀行の主要なリスク管理手法で あるバリュー・アット・リスク(VAR、1日当たりの最大損失可能 額)について、ウォール街の金融機関は通常、計算方法の概要を示すだ けであり、モデルに投入する価格や統計的な仮定の変更についてはほと んど何も開示していない。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経 営責任者(CEO)を含む一部のバンカーらが、VARは大手金融機関 のリスク管理の一部にすぎず、投資家はあまり当てにすべきではないと 発言していることも混乱に拍車を掛けている。

原題:JPMorgan Silence on Risk Model Seen Spurring Disclosure Overhaul(抜粋)

--取材協力:Christine Harper、Joshua Gallu.

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