ユーロ圏財務相:スペイン銀支援急ぐ-直接資本注入目指す

ブリュッセルで開かれたユーロ圏財 務相会合(ユーログループ)は、スペインの銀行への最大1000億ユーロ (約9兆7900億円)の融資を早期に開始することで合意した。域内4位 の経済大国スペインを財政危機から守るため、コストを同国政府のバラ ンスシートから外す可能性もある。

ユーログループのユンケル議長は、月内に300億ユーロを供与する 見通しだと述べた。スペイン政府に債務を負担させるのではなく、欧州 救済基金を活用して銀行に直接資金を注入することを最終的に目指すと している。

ユンケル議長は9時間にわたった同会合が終了した10日未明、記者 団に対し、最初に供与する資金は「スペインの銀行セクターに緊急の必 要性が生じた場合の対応策として利用する」と説明。このプログラムは 「スペイン銀行業界に引き続き残るぜい弱さに対処できるだろう」と述 べた。

先月のユーロ圏首脳会議が市場沈静化に向けた措置で合意した後で も再び債務危機が強まったことから、ユーロ圏各国政府はスペイン支援 を前倒ししたほか、アイルランドへの救済条件で妥協する用意があると 表明、ギリシャの資金枯渇を回避すると約束した。

銀行監督の一元化が前提

ユンケル議長は、スペイン融資は同国の銀行再建基金(FROB) を通じて行われるが、欧州の銀行監督の一元化が実現し次第、直接の資 金注入に切り替えることを目指すと説明した。

ユーロ圏財務相会合の決定事項を準備したEU内グループの責任者 を務めるトマス・ウィーザー氏は「その後は国の保証は必要なくなるだ ろう」と述べた。

フランスのモスコビシ財務相は、スペインの支援プログラムの修正 には政治上のハードルが依然存在し、どのようにまとまるかは不透明な ままだと指摘した。ドイツのショイブレ財務相は、スペイン政府が当初 は責任を負うだろうと語った。将来的に直接支援に転換することについ ては言及しなかった。

最初は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)から行われるスペ イン向け融資の償還期間は平均12.5年で、最長15年となる見通し。同プ ログラムはEFSFの後、欧州安定化メカニズム(ESM)が引き継 ぐ。

欧州当局者らは、直接の資金注入の前提となる銀行監督の一元化の 日程をめぐり引き続き議論した。欧州委員会のバルニエ委員(域内市 場・金融サービス担当)は、同委が「年内導入」を見込んでいると欧州 議会で語った。他の当局者らは、来年後半の可能性の方が高いとの見方 を示している。ショイブレ独財務相は、「時間を要するだろう。複雑で あり、実行は簡単ではない」と述べた。

ユーロ圏財務相は、スペインが財政赤字の国内総生産(GDP)比 率を3%未満に縮小する期限を1年先送りして2014年とすることを支 持。12年6.3%、13年4.5%、14年2.8%とした新たな目標について、欧 州委のレーン委員(経済・通貨担当)は「困難だが達成可能であり、何 よりも必要な目標だ」と語った。

原題:Euro States to Speed Spanish Bank Aid, Aim for Direct Loans (1)(抜粋)

--取材協力:Zoe Schneeweiss、Stephanie Bodoni、Chiara Vasarri、Jonathan Stearns、Angeline Benoit、Jana Randow、Jim Brunsden、Boris Cerni、Jeff Black.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE