LIBOR「木を見て森見なかった」英中銀-タッカー氏示唆

イングランド銀行(英中央銀行)の ポール・タッカー副総裁(金融安定担当)がロンドン銀行間取引金利 (LIBOR)スキャンダルへの自らの関与について行った議会での説 明は、中銀の監督不行き届きに対する新たな批判に火を付けた。タッカ ー氏は、来年退任するキング総裁の後任争いに何とか踏みとどまること を目指している。

タッカー氏は9日の下院財政委員会での証言で、LIBORが2007 年当時、不正な操作が行われている市場というよりは、機能不全に陥っ た市場のように見えたと述べ、LIBORをめぐる懸念をその時点で徹 底的に調査しなかったことを認めた。英銀2位バークレイズは早けれ ば05年の段階からLIBOR操作に関与したとされ、過去最大の課徴金 の支払いに先月同意せざるを得なくなった。

下院財政委のメンバーであるリードサム議員はタッカー氏の証言後 のインタビューで、「英中銀が明らかに木を見て森を見ない状態だった ことが気掛かりだ。LIBORがどれほど話題になっていたかを考える と、セントラルバンカーが調査すべき問題だと考えなかったことがやや 信じ難い」と語った。

英議会は金融監督権限を英中銀に移管する法案を審議しているが、 次期総裁の最有力候補と目されていたタッカー氏は、バークレイズのロ バート・ダイアモンド前最高経営責任者(CEO)との08年の電話での やり取りが発覚したことで、キング総裁の後任に就く可能性が危ぶまれ ている。

警鐘とは受け止めず

タッカー氏は自らが主導し、LIBORの不正の問題が提起され た07年11月のバンカーと監督当局者との会合について、「警鐘を鳴らす ものではなかった」とした上で、金利を銀行が故意に低く操作したこと を示唆するようには思われなかったと説明。「後から考えるとそうかも しれないが、当時はそのようには理解していなかった」と証言した。

下院財政委のアンドルー・タイリー委員長はこれに対し、「07年11 月15日の議事録には、理性を持ち合わせた人物が見れば、低く操作され たことを明らかに示唆すると思われる記述がある」と厳しく反論した。

原題:Tucker’s Libor Testimony May Stoke Concerns About BOE Powers(抜粋)

--取材協力:Robert Hutton、Kitty Donaldson、Gonzalo Vina、Eddie Buckle、Howard Mustoe.

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