欧州の投資銀バンカーに再び人員削減の波か-手数料収入減で

欧州の投資銀バンカーは、1年足ら ずの間に2度目の人員削減の波にさらされつつある。債務危機の影響で M&A(企業の合併・買収)と証券引き受け業務の手数料が9年ぶりの 低水準に落ち込んだためだ。

スイスでは他国に先駆け、リスク抑制に向けて資本と流動性に関す る規則が強化されたため一部の事業が実行不可能となり、銀行大手のク レディ・スイス・グループとUBSは効率性向上への圧力を最も強く受 けている。米モルガン・スタンレーのアナリスト、ヒューバート・ラ ム、ヒュー・ファンステーニス両氏の5月24日のリポートによると、ク レディ・スイスとUBSの証券部門の収入に占めるコストの割合は昨 年、欧米の大手12行のうち最も高かった。

クレディ・スイスとUBSが最も深刻な状況にあるとみられるもの の、債務危機の長期化や自己資本比率の引き上げ、経済成長の低迷を背 景に他企業も同様の状況に陥っている。

コンサルタント会社グリーチャー・シャックロック(ロンドン)の パートナーで20年以上のコンサルティング経験があるエドワード・カミ ングブルース氏は「バンカーたちは非常に悲観的になっており、自身の 職について心配している」と指摘。「われわれは金融業界の仕組みが大 幅に変化するのを目の当たりにしており、銀行はコスト削減とバランス シート縮小に向けた厳しい圧力にさらされている」と語る。

強まる圧力

債務危機によって市場は混乱し顧客企業はM&Aに及び腰になって いる。米調査会社フリーマンによると、欧州や中東、アフリカではM& Aや株式・債券の引き受け、融資の投資銀行業務の手数料が1-6月 (上期)に前年同期比で30%以上落ち込み90億ドル(約7200億円) と、2003年以来の低水準となった。

ブルームバーグが各社のリポートを基に集計したデータによれば、 クレディ・スイスの投資銀行部門の従業員1人当たりの収入は昨年、62 万2654ドル、UBSは61万2707ドルと、06年と比較して約50%減少し た。ドイツ銀の企業金融と証券部門の従業員1人当たりの収入は06年以 降14%、英バークレイズの投資銀行部門は9.3%、それぞれ落ち込んで いる。これら4行のうち11年末時点の投資銀行部門の従業員数が5年前 の水準を下回っているのはUBSだけだった。

クレディ・スイスとUBSの投資銀行部門の従業員数は11年末時点 で計3万8156人。モルガン・スタンレーのアナリストらの推計による と、これら2行の費用収入比率は今年、12行のうち最大となる可能性が 高い。両行が今年か来年に収入を増やさなければ人員削減や証券部門縮 小への圧力は強まると、アナリストらは予想する。

エスピリト・サント・インベストメント・バンク(ロンドン)のア ナリスト、アンドルー・リム氏は「両行が最も大幅に人員を削減するの は当然だ」と指摘。顧客に対しクレディ・スイス株の売りと、UBS株 の買いを推奨している。

UBS、クレディ・スイス、ドイツ銀、バークレイズの広報担当者 はいずれもコメントを控えた。

原題:Investment Bankers Face Termination as Fees in Europe Plummet(抜粋)

--取材協力:Liam Vaughan、Annette Weisbach、Jacqueline Simmons.

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