米国債:30年債上昇、ツイストオペで証券差し出し弱く

9日の米国債市場では30年債が上 昇。米金融当局が実施する短期債を売却し期間が長めの証券を同額購入 するオペレーションツイスト(ツイストオペ )で、金融機関の差し出 した購入対象証券が平均を下回ったことが影響した。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)が差し出した 証券は、金融当局が購入した18億400万ドルの2.32倍相当。昨年10月の ツイストオペ開始以来の平均は2.93倍だった。10年債利回りは約1カ月 ぶりの低水準をつけた。減速する雇用の伸びが量的緩和第3弾につなが るとの見方が背景にある。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、スコット・シ ャーマン氏(ニューヨーク在勤)は「米当局が積極的に証券を購入しよ うとしたのに対し、金融機関から差し出された証券はそれほど多くはな かった」と述べた。さらに、「市場参加者は米当局が量的緩和第3弾か それ以外の追加緩和策を講じる可能性を視野に入れ始めており、それが 実現する可能性も高まっているとみている」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時2分現在、30年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)下げて2.62%。同年債(表面利率3%、償還期限2042年5 月)は28/32上げて107 26/32。

10年債利回りは4bp下げて1.51%と、6月5日以来の低水準。6 月1日には1.44%と過去最低を記録した。

ローゼングレン総裁の発言

ボストン連銀のローゼングレン総裁は9日、バンコクでの講演で、 米労働市場の低迷によって家計の支出が鈍化する恐れがあるとの見解を 明らかにした。米失業率は2009年2月以降、8%を上回っている。

米金融当局は過去2度の量的緩和で2兆3000億ドルの証券を購入し ている。昨年9月には規模4000億ドルのツイストオペを発表。今年6 月20日に連邦公開市場委員会(FOMC)は年末まで同オペを延長する 方針を示した。追加のオペの規模は2670億ドル。

この日のツイストオペでディーラーが差し出した証券は41億8500万 ドルだった。

米国債の入札

米財務省は10日に3年債の入札(320億ドル)、11日に10年債(210 億ドル)、12日に30年債(130億ドル)の入札を実施する。

償還までの消費者物価の予測値を示す10年債と同年限インフレ連動 債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.07ポイン トと、今年3月20日に記録した年初来の最高値である2.45ポイントを下 回っている。

GMPセキュリティーズの債券ストラテジスト、エイドリアン・ミ ラー氏は「米国内外で経済成長に対する不透明感が強く、利回りを低く 抑えている」と述べた。

原題:Treasury 30-Year Bonds Lead Gains as Dealers Reduce Fed Tenders(抜粋)