財務省為替市場課長に松尾氏、95年の円高攻防経験-「80円の壁」再び

円高が長期化する中、相次ぐ市場介 入など「攻め」の姿勢で円高阻止を指揮してきた財務省国際局の市川健 太・為替市場課長が13日付で交代することが内定した。後任は主計局の 松尾元信主計官(総務・地方財政係担当)で、1995年の円高局面で課長 補佐を務めて以来、15年ぶりに古巣へ戻ることになる。複数の政府関係 者が9日、ブルームバーグ・ニュースに対し明らかにした。

松尾氏は95年6月から2年間、当時の国際金融局為替資金課に勤務 した。局長は「ミスター円」と呼ばれた榊原英資元財務官、課長は現財 務次官の勝栄二郎氏という布陣。円相場は同年4月に戦後最高値(1ド ル=79円75銭)を記録し、政府はこれに応戦する形で7月から9月にか けて2.6兆円規模の大規模介入を展開、100円台に押し戻した。

円相場は2010年以降、欧州債務危機の拡大懸念などから上昇基調が 継続。昨年3月以降も95年の戦後最高値を相次ぎ更新し、経済への悪影 響を懸念する政府との攻防が続いている。政府は10年9月に6年ぶりと なる2.1兆円規模の介入を実施したのをはじめ、昨年3月の東日本大震 災後には欧米各国と約7000億円の協調介入を行った。

市川氏が課長就任後の同8月には、米国の債務問題を受けドル売り が進んだことから約4.5兆円の介入を実施。同10月に円が一時75円35銭 と戦後最高値を更新した際には、1日で8兆円に及ぶ過去最大規模の介 入に踏み切った上で、翌日から4日間にわたり覆面介入を行った。

足元の円相場は、先月末に開かれた欧州連合(EU)首脳会議での 債務問題の前進などを受け小康状態が続いているものの、1ドル=79円 台後半とくしくも15年前と同水準の高値圏にある。松尾氏は再び「80円 台」の壁と対峙する格好となる。

--取材協力:Toru Fujioka. Editors: 小坂紀彦, 杉本 等