ウォール街従業員は退職口座で20億ドル失う、自社株集中で

ウォール街の従業員は個人や企業に 金融の助言を行うのが仕事だが、自分の資金については投資の基本であ る分散投資の鉄則に従っていない。

年次報告書によると、ウォール街の大手金融機関5社では従業員の 確定拠出型年金401(k)口座で自社株の価値が昨年、20億ドル(約1600億 円)余り減少した。この損失にはボーナスとして受け取った株式は含ま れていない。

エネルギー取引会社エンロンの2001年の経営破綻は、退職年金を勤 務先の株式と結びつけることは、会社が傾いたときに収入源と将来のた めの貯蓄の両方を失う結果につながりかねないという教訓をもたらし た。トレーダーやバンカーは昨年、人員削減による減収や賞与カットに 加えて401(k)口座の縮小で痛手を受けている。

オークツリー・ファイナンシャル・アドバイザーズの共同創業者、 クリス・ベーカー氏は「仕事と収入、各種手当で既に会社に依存してい る状態」で自社株にも投資していれば、「ポートフォリオが値下がりし て会社が経営不振となった場合には個人資産への影響が拡大する」と指 摘した。

401(k)口座で積み立てに応じて会社から自社株の拠出を受けている モルガン・スタンレーの現・旧従業員は昨年の株価下落前に、退職年金 資産に占める同社株の割合が24%と、大手5社で最高だったが、株価が 下落したため昨年5億7000万ドルの損失を被ったという。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の従業員の損失は最大で、13 億7000万ドル。同行の株価は昨年58%下落した。JPモルガン・チェー スとシティグループの従業員も数億ドルの損失となった。

バンガード・グループ傘下のバンガード・センター・フォー・リタ イアメント・リサーチのシニア調査アナリスト、ジーン・ヤング氏 は20%を超える額は集中投資だと見なされると述べ、「退職年金資産を 勤務先の株式にこれほど集中して投資するのはギャンブル同然だ。取っ ているリスクを理解していない」と指摘した。

原題:Wall Street Employees Lose $2 Billion in 401(k) Bet on Own Firms(抜粋)

--取材協力:Margaret Collins.

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