NY外為:ユーロが反発、ECB総裁発言で安値から戻す

ニューヨーク外国為替市場ではユー ロが対ドルで反発。一時は2年ぶり安値から戻す展開となった。欧州で は域内債務危機に歯止めをかける措置について討議するため、ユーロ圏 財務相会合(ユーログループ)が9日開かれた。

ユーロは対円でも、約1カ月ぶり安値から上昇した。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁はこの日、景気見通しが必要性を示す場合は ECBは追加利下げの選択肢を排除しない考えを示唆。これを受けてユ ーロが買い戻された。朝方はドルと円の買いが先行していた。日本の機 械受注が大幅に減少したほか、中国のインフレ率が低水準にとどまった ことを受け、景気失速懸念が高まり、安全とされる通貨へ資金を逃避さ せる動きが強まった。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は電話インタビューで、「この日はわずかながらショ ートカバーが見られた」と指摘。「ユーロ圏の金融政策は非常に緩和的 なため、ユーロは対ドルで下げ続けるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時18分現在、ユーロは対ドルで前営業日 比0.2%高の1ユーロ=1.2318ドル。一時、1.2251ドルと2010年7月以 来の安値を付ける場面も見られた。円に対しては0.2%高の1ユーロ =98円04銭。一時は先月5日以来の安値となる97円43銭まで下げた。円 はドルに対してほぼ変わらずの1ドル=79円59銭。

主要通貨中では対ドルで最も下げたのが韓国ウォン。次いでブラジ ル・レアルの下げが目立ち、0.2%安の1ドル=2.0324レアル。一方、 ノルウェー・クローネはドルとユーロに対して上昇。対ユーロで は0.4%高の1ユーロ=7.4876クローネ。ドルに対しては0.6%上げて1 ドル=6.0784クローネとなっている。

中国の景気対策

オーストラリア・ドルは小幅安。中国国営の新華社通信は前日、同 国経済への下向き圧力に対応するため政策の微調整を強化すると温家宝 首相が言明したと報じた。中国は先週、過去1カ月で2度目の利下げを 発表した。中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国。

オーストラリア・ドルは米ドルに対して前営業日比0.1%未満安い 1豪ドル=1.0207米ドル。一時、0.6%安の1.0155米ドルを付ける場面 もあった。円に対しては0.1%安の1豪ドル=81円25銭だった。対ユー ロでは0.3%下落して1ユーロ=1.2066豪ドル。

中国国家統計局が9日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は 前年同月比2.2%上昇したものの、2年5カ月ぶりの低い伸びとなっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場関係者の予想中央値 は2.3%上昇だった。

日本の内閣府が9日発表した5月の機械受注は、前月比で14.8%減 少した。

資本注入

ユーロは日中の下げを埋めた。欧州委のオコナー報道官は9日ブリ ュッセルで記者団に、「欧州安定化メカニズム(ESM)による銀行資 本注入について政府保証は必要ではない」と発言。将来のシステムの詳 細はこれから交渉するという。

この日のユーログループでは、先月の首脳会議(サミット)で決定 した危機対策措置について話し合われた。ユーロ圏17カ国首脳は29日の 会議終了後の声明で、統一された銀行監督システムを設置した上で、 ESMが政府を介さず銀行へ直接資本注入することを容認すると発表し た。

英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ (RBS)の為替戦略担当グローバル責任者、ロバート・シンチ氏は、 「短期的には、欧州の銀行プログラムの確実性が高まり、また米国で量 的緩和第3弾(QE3)が実施される可能性が強まってくれば、ユーロ は若干持ち直す可能性があると当社は考える」と解説した。

原題:Euro Rises From 2-Year Low Against Dollar as Finance Chiefs Meet(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE