債券続伸、米債高・株安で長期金利0.8%割れ、5年は9年ぶり低水準

債券相場は続伸。6月の米国雇用統 計を受けて債券高・株安となった前週末の米国市場の流れを引き継い で買いが先行し、長期金利は約1カ月ぶりに0.8%割れとなった。新 発5年債利回りは9年ぶり水準まで低下した。

SMBC日興証券の末沢豪謙チーフ債券ストラテジストは、「先週 末の米雇用統計を受けて円高、株安、米独長期金利低下となったこと から、日本の長期金利も先月4日に付けた0.79%を試した」と話した。

東京先物市場で中心限月9月物は、前週末比13銭高の144円08 銭で開始。直後に144円09銭まで上昇したが、上値が重くなり、いっ たん143円97銭まで伸び悩んだ。しかし、午後に入って再び買いが優 勢となると、一時144円10銭と、中心限月の日中ベースで2010年10 月以来の高値を付けた。結局は14銭高い144円09銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は同1ベーシスポ イント(bp)低い0.79%で開始。9年ぶり低水準を 記録した6月4日に付けた水準に並んだ。そこでは売りが出て、いっ たんは横ばいの0.80%を付けたが、午後に入ると0.5bp低い0.795% で推移した。5年物の105回債利回りは0.5bp低い0.19%に低下し、 03年6月18日以来の低水準を記録した。

20年物の137回債利回りは一時1.5bp低い1.615%と、約1カ月 ぶりの低水準を付けた。30年物の36回債利回りは1.5bp低い1.85% まで下げた。SMBC日興証の末沢氏は、超長期債について「キャリ ー(金利収入)が取れる年限として買いが入っている」と話した。

米債高・株安

6日の米国債相場は続伸。米10年債利回りは前日比5bp低下の

1.55%程度。米雇用統計で6月の非農業部門雇用者数が市場予想を下 回る伸びとなったことから、米金融当局が量的緩和第3弾(QE3) に踏み切るとの観測が広がった。一方、米株相場は続落。S&P500 種株価指数は0.9%下げて1354.68。きょうの日経平均株価は前週末比

1.4%安の8896円88銭と、7営業日ぶりに9000円台を割り込んだ。

内閣府が朝方発表した5月の機械受注(船舶・電力を除く民需) は前月比14.8%減と2カ月ぶりの減少に転じた。ブルームバーグ予測 調査では前月比2.6%減が見込まれていた。UBS証券の伊藤篤シニ ア債券ストラテジストは、「振れが大きな統計で、前月の反動減とみら れ、相場への影響は限られるだろう」とみていた。

こうした中、日本銀行は11、12日に金融政策決定会合を開く。2 日発表の企業短期経済観測調査(短観、6月調査)では大企業・製造 業の景況感が改善しており、市場では金融政策の現状維持を予想する 見方が出ている。しかし、岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジス トは「消費者物価指数(CPI)を考慮すると、追加緩和を実施する 可能性もあると思う」とし、資産買い入れ等基金の5兆円積み増しを 優先すると予想している。

あす30年入札、前回債のリオープン

財務省はあす10日、30年利付国債の価格競争入札を実施する。 前回36回債と銘柄統合されるリオープン発行となり、表面利率(クー ポン)は2.0%。発行額は前回債と同額の7000億円程度。

今回の30年債入札について、三菱UFJモルガン・スタンレー証 券の六車治美シニア債券ストラテジストは、利回り曲線上の割安感や 世界的経済の先行き不透明感の強まりなどが支えになるとし、「低金利 環境の長期化を背景に無難に通過する」と予想している。SMBC日 興証の末沢氏も「水準的にはやや物足りないものの、保険会社の平準 買い(一定金額を分散しながら購入する)が最低限入るので問題はな いだろう」とみている。