経常収支は4カ月連続黒字、予想下回る-燃料輸入増で貿易赤字に

5月の日本の経常収支は4カ月連続 の黒字となった。黒字額は予想を下回った。うち貿易収支は自動車を中 心に輸出が増えたものの、火力発電燃料の液化天然ガス(LNG)の輸 入増などから3カ月連続の赤字。 海外投資からの収益を示す所得収支 も2カ月ぶりに黒字幅を縮小した。

財務省が9日発表した5月の国際収支状況(速報)によると、海外 とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月 比62.6%減の2151億円だった。このうち貿易収支は8482億円の赤字で、 赤字幅を拡大。所得収支は直接投資の配当金支払いが増えたことなどか ら、同11.7%減の1兆2737億円と2カ月ぶりに黒字幅が縮小した。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、経常収支の予想中央 値は前年同月比13.6%減の4931億円の黒字だった。

貿易収支の内訳は、輸出が前年同月比11.3%増の5兆542億円、輸 入が同11.1%増の5兆9025億円。同省が先月28日に発表した貿易統計で は、価格が低下傾向にある原粗油の輸入の伸びは縮小しているものの、 LNGの輸入が金額ベースで同44.3%増、数量が同16.8%増と大幅な伸 びが続いている。

所得収支の黒字の縮小率は、リーマン・ショックの影響で大幅に減 少した2010年7月(14.1%減)以来の水準だった。同省は、所得収支に 影響した特殊要因として、特定の外資系金融会社の日本支店が法人(支 社)へ変更された際に、それまでの利益を海外の親会社に送金したこと で、直接投資の配当金の支払いが大幅に増加したと説明している。

第一生命経済研究所の大塚崇宏エコノミストは発表前のリポートで 先行きについて、貿易収支は「原油価格は下落傾向にあるものの、輸出 は回復感に欠ける」と指摘。経常収支の黒字額は所得収支に支えられな がら、当面、横ばい圏で推移するとの見方を示している。

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