米国債(6日):続伸、米雇用統計受け量的緩和観測広がる

米国債は続伸。米雇用統計で6月の 非農業部門雇用者数が市場予想を下回る伸びとなったことから、米金融 当局が量的緩和第3弾(QE3)に踏み切るとの観測が広がった。

10年債は週間ベースで1カ月ぶりの大幅上昇。米労働省が6日発表 した雇用統計で失業率の低下へ向けた進展がほとんど見られず、米国債 は買いを集めた。ユーロダラー先物とFF(フェデラルファンド)先物 が示す金利は低下。米雇用増加数が予想を下回ったことを受け、連邦公 開市場委員会(FOMC)が金利をゼロ近辺に据え置いた上で、さらに 一段の量的緩和に踏み切る可能性が高いと予想する投資家が増えた。

英バークレイズ・キャピタルの米国債取引ディレクターのアダム・ ブラウン氏(ニューヨーク在勤)は、「QE3がある程度価格に織り込 まれつつあるのは確かだ」とし、「リスクオフの動きなのか、QEに限 った反応なのか見分けるのは難しいが、相関していると思われる。追加 緩和があるとの考えであれば、概してレートに強気になるものだ」と述 べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時33分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下して1.55%。同年債(表面利率1.75%)価格 は14/32上げて101 26/32となっている。

指標となる10年債の利回りは今週に入り10bp低下。6月1日終了 週に29bp低下して以降で最大の下げとなった。

10年債利回りの過去最低水準は1.44%で、6月1日に記録。5月の 雇用者数の増加幅がブルームバーグ・ニュースがまとめた予想の最低値 をも下回ったことが材料になった。

年初来リターン2%

ニューヨーク連銀は償還期限が2013年1-5月の米国債79億3000万 ドル相当を売却した。保有する短期債を売却し期間が長めの国債を同額 購入するプログラムの一環。

米財務省は来週、総額660億ドル規模の入札を実施する。10日の3 年債入札(発行額320億ドル)を皮切りに、11日に10年債(同210億ド ル)、12日に30年債(同130億ドル)の入札が予定されている。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれ ば、米国債の年初来リターンは2%。2011年のリターンは9.8%だっ た。

雇用統計が低調

米労働省がこの日発表した6月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比8万人増。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は10万人増だった。 前月は7万7000人増と、速報値の6万9000人増から修正された。家計調 査に基づく失業率は8.2%で前月から変わらず。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の 市場ストラテジスト、トニー・クレセンツィ氏はブルームバーグ・ラジ オのインタビューで、「失業者数には米経済の疲弊感が表れている」と 指摘。「失業率の上昇を抑えるにはあまりにも成長スピードが遅く、今 回のような指標が続けば、米金融当局がこれまでのように実践主義者と して行動する、つまりQE3を実施するとの期待が高まる」と述べた。

原題:Treasuries Rise as Slowing Job Gains Fuel Fed Stimulus Bets(抜粋)

--取材協力:John Detrixhe、Tom Keene、Ken Prewitt.

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