ドル79円後半で底堅い、米雇用統計控え悲観論修正-値幅20銭

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=79円台後半で底堅さを維持した。米国で発表された雇用関 連指標の好調を受けて、雇用情勢の悲観論が修正され、ドルが下支えさ れた。ただ、米国時間には政府発表の雇用統計を控えて、景況感の下振 れ警戒感も残り、日中の値幅は20銭にとどまった。

みずほ総合研究所の武内浩二シニアエコノミストは、米雇用統計に 対する期待感が多少出て、市場がややポジティブ方向にポジションを振 り向けてドル高・円安に圧力がかかったと説明。その上で、15万人程度 の雇用増が確認されれば、一段のドル高・円安が見込まれるものの、逆 に10万人を大きく下回る結果となれば、「反動で円高が加速するという リスクがある」とし、警戒感から東京市場の値動きは限られたと言う。

ドル・円相場は朝方に付けた79円台後半から午前には80円02銭まで ドルが上昇。午後はやや円買い圧力がかかり、79円82銭まで円が水準を 切り上げた。午後3時35分現在は79円86銭付近で取引されている。前日 の海外市場では79円56銭までドル安が進んだ後、80円10銭まで値を戻す 場面も見られた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、6月の米 非農業部門の雇用者数は前月比で10万人の増加と、前月の6万9000人増 を上回る伸びが見込まれている。6月初めには5月の雇用の伸びが10万 人を割り込み、市場予想の15万人を大きく下回ったことで、米景気の先 行き懸念が台頭。10年債の利回りが過去最低を記録していた。

米雇用関連指標が好調

米国で5日に発表された先週の新規失業保険申請件数は前週から減 少し、市場予想も下回った。また、給与明細書作成代行会社のオートマ ティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービ シズが発表した給与名簿に基づく集計調査では、6月の民間部門の雇用 者数が前月比17万6000人増と、予想の10万人増を上回る伸びとなった。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、米雇用統計につ いて、雇用の伸びが10万人を超えてくれば、「ブレーキ」がかかってい た回復ペースが戻るという期待につながるとし、ムードが好転する可能 性もあるとみている。

一方、欧州中央銀行(ECB)は5日の金融政策決定会合で政策金 利を過去最低に引き下げ、翌日物中銀預金の金利をゼロに設定。しか し、市場では緩和措置が不十分と受け止められ、欧州債市場ではスペイ ンとイタリアの国債利回りが急上昇した。

佐藤氏は、市場は欧州の実体経済に目を移し始めている感がある が、財政では限界があり、金融緩和に踏み切ったものの、「なかなか、 これだけでは欧州の不安感は払拭(ふっしょく)できない」としてい る。

海外市場ではユーロ売りが活発化し、対ドルでは一時1ユーロ =1.2364ドルと、6月1日以来の安値を付け、この日の東京市場で は1.23ドル台後半で推移。対円では海外で一時1ユーロ=98円80銭と、 4営業日ぶりの水準まで下落し、東京市場では98円台後半で取引されて いる。

また、世界経済の先行き不透明感が増す中、中国人民銀行が利下げ に踏み切ったほか、イングランド銀行(BOE)は資産購入プログラム の買い取り枠を拡大し量的緩和の再開を決定した。

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