日本株続落、欧中景気懸念で一時9000円割れ-金融や石油、電機安い

東京株式相場は続落。欧州や中国な ど海外景気の先行きが懸念され、日経平均株価は午後の取引で一時、 1週間ぶりに9000円を割り込んだ。その他金融や証券、保険など金融 株、石油・石炭製品や電機や鉄鋼といった景気敏感業種が安い。

TOPIXの終値は前日比4.54ポイント(0.6%)安の771.83、 日経平均株価は59円5銭(0.7%)安の9020円75銭。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一株式運用部 長は、「欧州の利下げは想定通りだが、中国の利下げはそこまで景気実 態が弱いのかという懸念で捉えられている。市場は中国にもう一歩踏 み込んだ政策対応を求めている」と話していた。

欧州中央銀行(ECB)は5日に開いた理事会で、政策金利の引 き下げを実施。短期金利の調節手段である短期買いオペの最低応札金 利を0.25ポイント下げ、過去最低の0.75%とした。ドラギ総裁は会 見で、「ユーロ圏経済の見通しに対する下振れリスクが一部顕在化した 」と背景を説明。さらに同総裁は、他の非伝統的措置について、政策 委員会では協議しなかったことを明らかにした。

中国も同日、成長減速に対応するため、ここ1カ月で2回目の利 下げを実施。銀行がローン金利を基準金利に比べ低く設定できる裁量 幅も拡大した。同国では、輸出が欧州債務危機の悪影響を受け、国内 の不動産規制で住宅市場が抑制されており、来週発表予定の4-6月 国内総生産(GDP)は6四半期連続で伸びが鈍化する可能性がある。

午後に下げ拡大場面、米雇用統計控え

きょうの東京外国為替市場では、前日の海外市場の流れを受けて ユーロが軟調に推移。一時1ユーロ=98円90銭付近と、きのうの東 京株式市場の終値時点99円96銭に比べユーロ安・円高水準に振れた。 楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、E CB理事会の決定に「マーケットが期待していた大胆な政策は打ち出 されなかった」と指摘。政策失望感が株安の一因と受け止めていた。

午後に入ると、週末を控えた持ち高整理の動きが強まり、日経平 均は前週末6月29日以来、9000円を一時下回った。きょうの米国市 場では、6月の雇用統計の発表を控えており、米国や為替動向に影響 を与える可能性があるだけに、買いを見送るムードが助長された。た だ、取引終了にかけてはやや持ち直し、終値では9000円を維持。

三井住友トラスト・アセットの三沢氏は、「日本株は安値から1割 戻り、極端な割安感は解消された。さらに上値を追うには景気先行き の好転見通しや欧州財政問題への抜本的な対策などが必要」と指摘。 しかし、政策対応を誤りさえしなければ、「下値も当面ないだろう。相 場的には踊り場にある」と言う。

6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加幅は3カ月連 続で10万人を割り込むと予想されているが、米ゴールドマン・サック スでは12万5000人増を見込むなど見方は分かれている。給与明細書 作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP) エンプロイヤー・サービシズが5日に公表した集計調査によると、6 月の米民間部門の雇用者数は前月比で17万6000人増加。ブルームバ ーグが集計した予想中央値(10万人増加)を上回っていた。

ソフバンクやニコンは堅調

東証1部33業種の騰落は、石油・石炭、その他金融、水産・農林、 電機、鉄鋼、非鉄金属、証券・商品先物取引など29業種が下落。欧州、 中国景気の不透明感から、ニューヨーク原油先物は6日の時間外取引 で一時1%以上続落したため、石油株の弱さにつながった。

個別では、米シーゲートの決算が従来予想を下回ったことで、H DD関連のTDKに連想売りが広がり、三菱UFJモルガン・スタン レー証券が格下げしたディー・エヌ・エー、BNPパリバ証券が格下 げしたキヤノンも安い。

一方、ばら積み船の運賃指標が8日続伸したことが支援材料とな り、海運株が終日堅調となるなど4業種が高い。個別では、クレディ・ スイス証券やドイツ証券が目標株価を上げたソフトバンク、BNPパ リバ証券が投資判断を上げたニコンは4連騰。4日付の日本経済新聞 報道をきっかけに、放射性セシウムを含む灰の処理技術開発が材料視 されているアタカ大機も連騰。

東証1部の売買高は15億3191万株、売買代金は9317億円で、代 金は前日比で12%増えたが、5営業日連続で1兆円を下回った。国内 新興市場では、ジャスダック指数が0.4%安の51.54と続落、東証マ ザーズ指数は0.8%高の362.07と4日ぶりに反発した。

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