債券続伸、長期金利0.8%割れ目前-欧州景気懸念で米債高・国内株安

債券相場は続伸。欧州中央銀行(E CB)のドラギ総裁が欧州景気の下振れリスクに言及したことから堅 調となった米国債相場の流れを引き継いで買いが優勢だった。長期金 利は0.8%割れ目前まで低下し、先物は1カ月ぶり高値圏に達した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥債券運用部長は「ECB、英イ ングランド銀行、中国人民銀行が追加緩和を実施したことを受けて、 海外市場で長期債が買われ、円債市場も堅調となった。午後に入って、 国内株価が値を下げたので、7-10年ゾーンにも買いが入り、全般的 に強くなっている」と話した。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭高の143円90銭で 取引開始。いったんは143円96銭まで上昇したが、その後は143円 90銭付近でもみ合い。午後に入り株安が進むと再び買いが増えて、13 銭高の144円00銭まで上昇し、中心限月の日中ベースで6月4日以来 の144円乗せとなった。結局は8銭高の143円95銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp)低い0.80%で始まり、6月27、28 日に付けた直近最低に並んだ。9年ぶり低水準0.79%を記録した先月 4日以来の0.8%割れ目前となったが、そこでは売りが出て0.805%で 推移。午後1時半過ぎには再び0.80%を付けた。

中期や超長期債も堅調。2年物の318回債利回りは0.095%と、 1カ月半ぶりの低水準。5年物の105回債利回りは1bp低い0.195% と6月8日以来の0.2%割れで開始。しばらく0.20%で推移したが、 午後2時前に再び0.195%に低下した。20年物の137回債利回りは1 カ月ぶり低水準の1.625%まで下げ、30年物の36回債利回りは0.5bp 低い1.865%に低下した。

輪番オペが再び札割れ

こうした中、日本銀行がきょう実施した国債買い入れ(輪番オペ) は、応札額が予定額に届かない札割れとなった。RBS証券の福永顕 人チーフ債券ストラテジストは、今回の札割れについて、「日銀の買い 入れ下限利回りである0.10%でも売りたい人がいなかったというこ と。グローバルな金融緩和を受けて日銀にも緩和期待が生じ、朝方か ら中短期債利回りが低下していた影響もある」と説明した。

日銀発表によると、残存期間1年以下では予定額3100億円に対し、 応札額が1853億円にとどまり、全額を落札。同オペでは5月18日以 来の札割れ。一方、残存期間1年超10年以下では予定額2500億円に 対して、7573億円の応札があり、2504億円を落札した。

5日の米債相場は反発。米10年債利回りは前営業日に比べて3bp 低下の1.60%程度。ECBが政策金利を過去最低の0.75%に引き下げ、 下限政策金利である中銀預金金利も0.25ポイント下げ0%とし、ドラ ギ総裁は経済には依然としてリスクが残ると指摘した。これを受けて 資金の逃避先としての米国債の投資妙味が強まった。一方、米株相場 は反落。S&P500種株価指数は0.5%低下の1367.58。

米雇用統計

今晩に米雇用統計発表を控えていることもあり、相場の上値は重く なった。みずほ証券の早乙女輝美債券ストラテジストは「市場は米雇 用統計で強めの数字が出ることを期待。米長期金利の上昇や株高があ れば、国内債は週明けの金利上昇時に押し目買いの好機を迎える」と 話した。一方でスペインなど欧州懸念も残るとし、「金利はせいぜい

0.85%程度までの上昇にとどまりそう」との見方も示していた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長 は「米雇用統計を控えて、長期金利が0.8%を割り込むには材料不足 のようだ」と述べている。ブルームバーグ調査によると、6月の非農 業部門雇用者数は前月比10万人増加と、前月の6万9000人増を上回 る伸びとなる見通し。

--取材協力 船曳三郎、赤間信行 Editors:山中英典、青木勝

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