米国債:反発、逃避需要で-ECB総裁が下振れリスク指摘

米国債相場は反発。欧州中央銀行 (ECB)が政策金利を過去最低に引き下げた後、ドラギ総裁は経済に は依然としてリスクが残ると指摘した。これを受けて資金の逃避先とし ての米国債の投資妙味が強まった。

相場は長期債を中心に上昇した。中国人民銀行とイングランド銀行 (英中央銀行)はECBに先立ち、景気への刺激策を打ち出し、全ての 発表が45分間に集中した。6日発表予定の米雇用統計では、非農業部門 雇用者数の増加幅が3カ月連続で10万人を割り込むと予想されている。

シティグループの先物グループの金利ストラテジスト、ジェーム ズ・コリンズ氏(シカゴ在勤)は、「中銀の動きは確かに、相場が上昇 する理由としては十分なものだった」とし、「景気をめぐってはやや小 粒な材料が続く」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.60%。先月1日には過去最低の1.44%まで下 げた。

30年債利回りは2bp低下の2.72%。前日は米独立記念日の祝日で 休場となり、5日に取引が再開された。

ニューヨーク連銀はこの日、長期金利の抑制へ向けた取り組みの一 環として47億1400万ドル相当の米国債を購入。一方で米財務省は、総 額660億ドル規模の中長期債を来週入札すると発表した。10日の3年債 入札(発行額320億ドル)を皮切りに、11日に10年債(同210億ド ル)、12日に30年債(同130億ドル)の入札が予定されている。

市場は悲観的

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「景気回復の力強さについては悲観的な見方が大勢だ」 と指摘。「世界経済の停滞は大半の政策当局者が認識している以上に深 刻だとの考えが依然として根強い」と述べた。

米労働省が5日発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済 み)は、前週から1万4000件減少して37万4000件。5月半ば以降では最 少となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 は38万5000件だった。

6月の米民間部門の雇用者数は市場予想を上回る伸びを示した。 ADPによると、前月比で17万6000人増加した。ブルームバーグがまと めたエコノミストの予想中央値は10万人の増加だった。

中銀の発表相次ぐ

米供給管理協会(ISM)が発表した6月の非製造業総合景況指数 は52.1と、前月の53.7から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は53.0だった。同指数で50はサービス業活動の拡大 と縮小の境目を示す。

この日、ECBと中国人民銀行は利下げ、イングランド銀行は資産 購入プログラムの買い取り枠拡大に動いた。2週間前には米連邦準備制 度理事会(FRB)が保有証券の残存期間を延ばすプログラムの延長を 決めたほか、バーナンキ議長は必要ならば追加措置を取る可能性を示唆 した。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「ドラギ総裁の 発言で相場が反発した。誰もが認識していることを強調したにすぎない が、非常に弱気な内容だった」と指摘。「域内経済の見通しに対して依 然として下振れリスクがあるとの発言だ。新しい情報ではなかったが、 相場が反発するきっかけとなった」と述べた。

FRBのエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプレミ アム(期間に伴う上乗せ利回り)によると、米国債はこれまでで最も割 高な水準に近づいている。この日のタームプレミアムはマイナス0.91。 6月1日にはマイナス0.94と最も割高な水準を付けた。マイナスのター ムプレミアムは適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れ ていることを意味する。

原題:Treasuries Advance as Central Banks Take Action to Spur Growth(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE