7月5日の欧州マーケットサマリー:株下落、ECB下振れリスク指摘

欧州の為替・株式・債券・商品相 場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)

為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.2392   1.2527
ドル/円             79.91    79.88
ユーロ/円           99.03   100.07


株              終値   前営業日比 変化率
ダウ欧州株600  256.93     -.40      -.2%
英FT100     5,692.63    +8.16     +.1%
独DAX      6,535.56   -29.24     -.4%
仏CAC40    3,229.36   -38.39    -1.2%


債券          直近利回り 前営業日比
独国債2年物      .02%        -.06
独国債10年物     1.38%       -.07
英国債10年物     1.66%       -.07


商品                  直近値   前営業日比 変化率
金   現物午後値決め  1,604.00    -9.50     -.59%
原油 北海ブレント        101.28     +1.51    +1.51%

◎欧州株:下落、ECB総裁下振れリスク言及-伊・スペイン銀安い

5日の欧州株式相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁 が景気の下振れリスクは残っていると発言し、利下げ効果を打ち消し た。この日は中国人民銀行(中銀)も利下げを発表。イングランド銀行 (英中銀)は量的緩和の再開に踏み切った。

スペインとイタリアの銀行株が安い。ECBからは景気を支えるた めの新たな非伝統的措置の発表がなく、両国の国債利回りが上昇したた めだ。一方でドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は 高い。同社はポルシェの自動車部門の未保有株50.1%を取得することで 独税務当局と合意した。エアバスの航空機向け部品生産を手掛ける英 GKNは13%の値上がり。スウェーデンのボルボの航空エンジン部門を 買収することで合意した。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の256.93で終了。この日は 上下それぞれ、前日比で一時0.8%振れた。このままなら週間ベースで 5週連続高となり、1月以来最長の上げとなる。各国・地域の中銀が金 融政策を緩和するとの観測で、6月4日に付けた年初来安値から は9.9%戻している。

バークレイズ・キャピタルの株式ストラテジスト、エドムンド・シ ング氏(ロンドン在勤)は「この日の発表は広く期待されていた」と述 べ、「中銀行動への高まる期待を市場は過去数日間に織り込んでいたと 言えるだろう」と語った。

ECBはフランクフルトでこの日開いた政策委員会で、主要政策金 利を1%から0.75%に引き下げるとともに、下限金利である中銀預金金 利を0.25%からゼロに下げた。決定後の記者会見で、ドラギ総裁は「ユ ーロ圏経済の見通しに対する下振れリスクが一部顕在化した」と述べ た。中国は1カ月で2回目の利下げを発表。英中銀は資産買い取り枠 を500億ポンド拡大した。

この日の西欧市場では、18カ国中14カ国で主要株価指数が下落し た。

原題:European Stocks Fall as Draghi Sees Economic Risks; Banks Slide(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債大幅安-ECB利回り抑制策講じず

5日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が大幅安となっ た。欧州中央銀行(ECB)が両国債の利回りを抑制する追加措置に は踏み切らなかったことが手掛かり。ECBは政策金利を引き下げて 過去最低に設定した。

スペイン10年債利回りはユーロ導入以降で最大の上げとなった。 債務危機が悪化しつつあるとの懸念が広がる中、この日のスペイン国 債入札で利回りは上昇した。ドイツ2年債は上昇。ECBは景気支援 に向けて中銀預金金利をゼロに引き下げた。ドラギ総裁は政策決定後 の記者会見で、他の非伝統的措置について政策委は協議しなかったこ とを明らかにした。

先週の市場では、ユーロ圏首脳会議で危機対策の拡大が打ち出さ れたことを受け、スペインとイタリアの国債は大きく上げていた。

ラボバンク・インターナショナルの債券ストラテジスト、リン・ グレアムテーラー氏(ロンドン在勤)は「ECBが危機に向けた追加 策を打ち出すとの期待があったため、若干の失望感が出た」と述べ、 「ECBは政治面での行動を促すために圧力を維持したいのかもしれ ない。当社は引き続き中核国の国債を選好している。向こう数カ月で 周辺国の状況が悪化すると見込んでいるためだ」と続けた。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比 37ベーシスポイト(bp、1bp=0.01%)上昇の6.78%。一時 は43bp上昇し、1994年8月以降で最大の上げとなった。同国債 (表面利率5.85%、2022年1月償還)価格はこの日、2.45下げ

93.59。

イタリア10年債利回りは21bp上昇し5.98%。一時は

6.04%に達し、先月29日以降で初めて6%を突破した。

ECBは主要政策金利であるリファイナンス金利を0.25ポイン ト引き下げ、過去最低となる0.75%に設定した。ブルームバーグが まとめたエコノミスト64人を対象にした調査で49人がこの決定を 見込んでいた。

ドイツ2年債利回りは前日比6bp低下の0.02%。10年債利 回りは7bp下げ1.38%と、先月12日以来の低水準となった。

原題:Spanish, Italian Bonds Slump as ECB Refrains From ExtraMeasures(抜粋)

◎英国債:上昇、10年債は1週ぶり低利回り-中銀が量的緩和再開

5日の英国債相場は上昇し、10年債利回りは1週間ぶり低水準 となった。イングランド銀行(英中央銀行)が資産買い取りプログラ ムの規模拡大を決定したほか、欧州中央銀行(ECB)が利下げに踏 み切ったことが手掛かり。

英2年債利回りはほぼ3週間ぶりの大幅低下となった。英中銀は 量的緩和策を500億ポンド増やし3750億ポンドに拡大した。1回 当たりの購入規模を減らし、実施期間をこれまでの3カ月から4カ月 に延長した。ECBは政策金利を過去最低となる0.75%に引き下げ た。

モニュメント・セキュリティーズのストラテジスト、マーク・オ ズワルド氏(ロンドン在勤)は「英国債は大きく動いた」とし、「量 的緩和策が4カ月にわたり実施されることに市場は驚かされた」と語 った。

ロンドン時間午後4時20分現在、10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.66%。一時は

1.65%と、先月28日以来の最低となった。同国債(表面利率4%、 2022年3月償還)価格はこの日、0.625上げ120.835。

2年債利回りは5bp低下し0.23%。終値としては先月15日 以来で最大の下げ。0.21%まで下げる場面もあった。

英中銀の金融政策委員会(MPC)は政策金利については、過去 最低の0.5%に据え置いた。

原題:Gilts Gain as Bank of England Extends Stimulus, ECB Cuts Rate(抜粋)