エールフランス機墜落事故、操縦士の訓練不足を指摘-報告書

エアバス製のエールフランス447便 が大西洋に墜落し、乗員・乗客228人全員が死亡した3年前の事故につ いて、フランス航空事故調査局(BEA)は最終報告書で、パイロット が想定外の事態に対処する適切な訓練を十分に受けていなかったと指摘 した。

報告書によると、同機が失速し、揚力を失うという予想外の事態が 発生したときコックピットには「状況の理解が著しく欠如」していた。 BEAは同機の操縦士には急降下時に対応する訓練が不足していたと指 摘、フライトシミュレーション訓練の見直しを勧告した。

BEAは2年がかりで発見・回収したフライトレコーダーを調査、 墜落の原因を究明した。フライトレコーダーからは失速警報に対処でき ず、混乱したコックピット内の様子が明らかになった。同時に大半の操 作をコンピューターが行い、急な危機的状況に対応するためのパイロッ トの訓練が不十分であるという現代の航空の弱点を浮き彫りにした。

447便は2009年6月1日、リオデジャネイロを出発しパリに向かう 途中で大西洋に墜落した。高度を巡航速度で飛行中に墜落する事故はあ まり例がなかったことから、フライトレコーダーが回収されるまでその 原因は謎だった。エールフランス側はコックピット内の計器異常が墜落 原因の一部だと主張していた。

わずか3分半

447便の自動操縦が解除されたとき、主任操縦士のマーク・デュボ ア氏(58)は休憩中だった。そして墜落するまでデュボア氏が操縦に戻 ることはなかった。このとき代わりに操縦したのは37歳と32歳の副操縦 士だった。フライトレコーダーからは2人が機体を安定させようとし、 デュボア氏が背後から時折、指示を出していたことが分かっている。

航空安全の専門家は、コックピット内の3人は恐らく計器異常に動 揺し、墜落回避の操作とは逆の操作を行った可能性があると指摘してい る。機体が秒速55メートルで大西洋に墜落するまでの時間はわずか3分 半だった。

機体が減速し揚力を失うと、パイロットは急降下を回避するために 機首を下げ、機体を加速させるよう訓練を受けている。今回の事故で は、墜落直前に操縦席にいたパイロットは絶えず機首を上向きにしてい たことがフライトレコーダーから明らかになった。

原題:Air France Crash Probe Finds Pilots Lacked Proper Training (2)(抜粋)

--取材協力:Mathieu Rosemain.