NY外為:ユーロが対ドルで1カ月ぶり安値-景気下振れ懸念

ニューヨーク外国為替市場では、ユ ーロがドルに対し約1カ月ぶりの安値に下落。欧州中央銀行(ECB) のドラギ総裁が、記者会見でユーロ圏の景気下振れリスクを指摘したこ とを受けた。ECBはこの日、政策金利を過去最低に引き下げた。

ユーロは主要16通貨中、スイス・フランとデンマーク・クローネを 除く全てに対して値下がり。オーストラリア・ドルに対しては1999年以 来の安値を付けた。ECBは主要政策金利を0.75%に引き下げるととも に、下限金利である中銀預金金利をゼロに下げた。ドル指数は約8カ月 で最大の上げ。この日の経済指標で、米労働市場の改善が示されたこと に反応した。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・フ ラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「ユーロ 下落の要因はドラギ総裁の発言にあるとも考えられる」と分析。「新し い政策提案という意味では、あまり多くは示されなかった」と続けた。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ユーロは対ドルで前日 比1.1%安の1ユーロ=1.2389ドル。一時1.2364ドルと、6月1日以来 の安値を付けた。対円では1.1%下げて1ユーロ=98円96銭。ドルは対 円でほぼ変わらずの1ドル=79円88銭。

ドラギ総裁の発言後、ユーロは豪ドルに対して、1ユーロ=1.2022 豪ドルと、1999年1月のユーロ導入以来の安値を付けた。一時は1.2229 豪ドルに上昇する場面もあった。豪ドルは米ドルに対しては0.1%上昇 の1豪ドル=1.0289米ドル。一時は0.5%上昇し、5月3日以来の高値 となる1.0329米ドルを付けた。

ニュージーランド(NZ)ドルは対米ドルで一時0.5%高の1NZ ドル=0.8076米ドルを付けた。その後はほぼ変わらずの0.8038米ドル。

中国利下げ

中国は、ここ1カ月で2回目の利下げを実施。またイングランド銀 行(英中央銀行)は、資産買い取りプログラムの規模を500億ポンド拡 大し、3750億ポンドとすることを決めた。

米国で雇用関連の指標が発表された後、主要6通貨に対するインタ ーコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は、一時1.4%高 の82.950と、昨年11月9日以降で最大の上げとなった。

給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシ ング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づ く集計調査によると、6月の米民間部門の雇用者数は前月比で17万6000 人増加した。増加幅は、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想 中央値(10万人増)を上回った。また労働省が発表した先週の新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は、前週から1万4000件減少して37 万4000件。5月半ば以降では最少となった。ブルームバーグが実施した 調査では、同省が6日発表する6月の雇用統計では非農業部門雇用者数 は9万5000人増と、増加幅は3カ月連続で10万人を下回ると予想されて いる。

「下振れリスク」

ECBのドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、「ユーロ圏経済の 見通しに対する下振れリスクが一部顕在化した」と述べた。また、ユー ロ圏の経済成長は引き続き脆弱(ぜいじゃく)であり、不確実性も高い と指摘した。

ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズの市場アナリ スト、ラビ・バラドワジ氏は「きょうの利下げは、ユーロ圏の主要な問 題を解決できる類いの動きではないかもしれない」と分析。「市場はそ れを十分認識しており、ユーロ売りは理にかなった動きといえそうだ」 と説明した。

原題:Euro Drops to 1-Month Low on Outlook for Risks; Dollar Gains(抜粋)

--取材協力:Neal Armstrong、David Goodman.