ECB:政策金利過去最低、預金金利はゼロに-危機対応加速

欧州中央銀行(ECB)は5日、政 策金利を過去最低に引き下げた。下限政策金利である翌日物中銀預金の 金利はゼロとした。ソブリン債危機がユーロ圏経済を脅かす中で、未踏 の領域に踏み込んだ。

ECBはフランクフルトで開いた定例政策委員会で、短期金利の調 節手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の 最低応札金利を0.25ポイント引き下げ過去最低の0.75%とすることを決 めた。0.25ポイントの利下げは、ブルームバーグ・ニュースの調査に答 えたエコノミスト64人中49人が予想していた。

下限政策金利である中銀預金金利は0%と0.25%から引き下げた。 上限政策金利である限界貸出金利は1.5%(従来1.75%)に下げた。

欧州債務危機がユーロ圏の景気を悪化させるとともに世界経済の足 かせとなる中で、ECBは行動を迫られた。ドラギ総裁は先月、利下げ による景気刺激の効果に疑問を呈していたものの、この日の利下げは少 なくとも、苦境にある市中銀行の借り入れコストを下げるとともに、先 週の首脳会議でのユーロ圏各国政府の合意がもたらした信頼回復をさら に支えることができる。

ソシエテ・ジェネラルの欧州担当チーフエコノミスト、ジェーム ズ・ニクソン氏は「主要政策金利は現時点で本当のところ意味はない が、中銀預金金利のゼロへの引き下げでECBは未踏の領域に踏み込ん だ」として、「短期金融市場を生き返らせることができれば、市中銀行 が直面している調達難を幾分解消することができ、実体経済への融資拡 大につながる可能性がある」と話している。

ECBの発表後、ユーロは一時ドルに対して0.5セント余り下げフ ランクフルト時間午後1時57分に1ユーロ=1.2445ドルを付けた。

預金金利ゼロは、銀行が資金を中銀に滞留させることをやめ、銀行 間融資や企業・家計へのローンに活用することを促す。現在は、ECB への翌日物預金の日々の残高が約8000億ユーロで推移している。

米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの破綻後にECBが無 制限の流動性供給を開始して以来、預金金利が事実上、市場金利を誘導 してきた。

--取材協力:Kristian Siedenburg、Jana Randow、Gabi Thesing.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE