債券は上昇、先物や長期債で買い優勢-超長期債は供給続いて軟調

債券相場は上昇。10年債入札を通 過した安心感から先物から長期債のゾーンで買いが優勢となった。半 面、財務省による流動性供給入札や来週の30年債入札をにらみ、需給 緩和の懸念から軟調に推移した。

SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は「5年債や10 年債は今週の10年債入札を無難に通過し、需給が締まってしっかり推 移している」と指摘。一方、超長期債はきょう実施の流動性供給入札 や来週10日の30年債入札を控えて弱含んでいたとした上で、「流動性 供給入札はそれほど悪くない結果だったので、若干値を戻している」 と述べた。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比6銭高の143円83銭で 取引を開始し、直後に143円84銭まで上昇した。その後は横ばいまで 伸び悩む場面もあったが、午後に入ると上げ幅を拡大。引け間際に11 銭高の143円88銭と6月29日以来の高値を付け、結局は10銭高の 143円87銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物の324回債利回り は前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.81%で始まり、午前10時 過ぎからは横ばいの0.815%で推移。午後3時前には再び0.81%に低 下した。5年物の105回債は0.5bp低い0.205%で取引された。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、10年 国債入札では落札利回りが0.85%以下でも難なく通過しており、需給 が大きく緩和する可能性は低いと指摘した。

流動性供給入札

一方、超長期債は前日に続いて軟調。20年物の137回債利回りは 1bp高い1.655%で始まり、流動性供給入札後の午後3時ごろに横ば いに低下した。30年物の36回債利回りは1bp高い1.875%と3営業 日ぶりの高水準で開始。午後1時過ぎからは0.5bp高い1.87%。

財務省はこの日、既発の20年と30年利付国債を対象とした流動 性供給入札(発行額3000億円)を実施。募入最大利回り較差は0.003%、 募入平均利回り較差は0.002%となった。需要の強さを示す応札倍率 は3.23倍と前回3.69倍をやや下回った。

来週10日には30年債入札が実施される。野村証券の松沢中チー フストラテジストは「10年ゾーンの需給が良く、昨日のリスクオン(選 好)の流れの中でもほとんど下げなかった。4-6月に国内投資家は 総じて慎重な投資スタンスだったとみられ、まだその反動が続きそう。 その分、超長期ゾーンの需給の弱さが引き続き目立つ。流動性供給入 札や来週の30年債入札が重石になっている」と言う。

日本銀行は5日午後発表した「地域経済報告」(さくらリポート) で、2009年10月以来初めて、全国9地域すべての景気判断を上方修 正した。白川方明総裁は同日午前の定例支店長会議で挨拶し、国内景 気は「緩やかに持ち直しつつ」あり、先行きも「国内需要が引き続き 堅調に推移し、海外経済が減速した状態から脱していくにつれて、緩 やかな回復経路に復していく」との見解を示した。

円相場は横ばい圏。日経平均株価の終値は24円37銭(0.3%)安 の9079円80銭だった。4日の米国市場は独立記念日で休場。あすは 6月の米雇用統計が発表される。欧州中央銀行(ECB)はきょう、 定例理事会を開く。金融緩和観測もある中、きょうの債券先物(9月 物)の日中売買高は1兆1450億円と、中心限月ベースで1月10日(1 兆528億円)以来の低水準となった。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアイ ンベストメントマネジャーは「欧州問題がいったんは最悪の事態を回 避できたため、市場の関心は米景気動向に向いている」と指摘。「米雇 用統計で非農業部門雇用者数が予想以上に増えた場合、週明けの国内 債市場では金利上昇圧力が強まりそうだ」と予想する。ただ「4-6 月期に債券残高の積み増しが不十分だっただけに、雇用統計発表後の 金利上昇は買いの好機」と分析。10年債利回りで0.8%半ばからは押 し目買いが賢明だとみている。

--取材協力 池田祐美、赤間信行 Editors:山中英典、持田譲二

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