日本株は反落、不動産や石油に売り-ECB待ち代金2週ぶり低水準

東京株式相場は3日ぶりに反落。今 後の欧州情勢、為替動向に影響を与え得る欧州中央銀行(ECB)の 政策決定会合を現地時間きょうに控え、直近上昇業種に持ち高整理の 売りが優勢だった。不動産や保険、情報・通信、建設株が下げ、海外 原油市況の下落を嫌気し、石油・石炭製品や鉱業株も安い。

TOPIXの終値は前日比2.33ポイント(0.3%)安の776.37、 日経平均株価は24円37銭(0.3%)安の9079円80銭。

カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、ギリシャ の財政再建計画の再交渉やスペイン銀行支援への不透明感が残る中、 「ECBで南欧諸国の国債買い取りに前向きな姿勢が出なければ、ユ ーロ安によって日本株がまた下に引き戻されかねない」と話していた。

きのうの米国市場が独立記念日の祝日休場で、新規の手掛かり材 料を欠いた上、5日のECB理事会など重要日程も控え積極的な買い が入りにくい中、きょうの日本株は前日の海外原油市況安、為替のユ ーロ軟調などを嫌気し、朝方は売りが先行した。

午前10時すぎごろから東京外国為替市場の円相場がやや円安方 向に振れたことなどでTOPIX、日経平均とも一時上昇転換。三井 住友アセットマネジメント・株式運用グループの生永正則シニアファ ンドマネジャーは、「為替が円安に振れたことや独伊首脳が協調を約束 したことも、プラス材料」と言う。メルケル独首相とモンティ伊首相 は4日、欧州債務危機への対応で協調することを約束。両首脳は、先 週の欧州連合(EU)首脳会議で救済の方針をめぐり対立していた。

ただ、為替の動きも限定的だったことで午前終了にかけ失速。午 後の取引は市場参加者の様子見姿勢が一層強まり、終始マイナス圏で 推移した。東証1部売買代金は約2週間ぶりの低水準にとどまった。

0.25ポイント引き下げが本命

ブルームバーグがエコノミスト63人を対象に行った調査では、E CBは5日の理事会で、政策金利を.25ポイント引き下げ、0.75%に 設定すると見込まれている。「0.25ポイントの利下げなら相場への影 響はないが、長期リファイナンシングオペ(公開市場操作、LTRO) の第3弾などが出るとサプライズになり、読みにくい」と、いちよし アセットマネジメントの秋野充成執行役員は指摘した。

4日の海外為替市場では、ドイツの6月のサービス業活動指数が 縮小するなど低調な景気指標を受け、ECBの利下げ観測からユーロ が対ドル、円で下落。一時1ユーロ=99円80銭と、きのうの東京株 式市場の終値時点の100円45銭から円高方向に振れた。ただ、きょう 午前の東京市場では100円34銭へユーロが戻したが、その後は再び 100円を割れ、株式とともに為替もECBの結果待ちの様相だった。

反転相場のけん引役に売り

東証1部33業種で下落率上位に並んだのが不動産、保険、情報・ 通信、建設など。TOPIXはバブル経済崩壊後の最安値を付けた6 月4日を底値とし、前日まで反発相場を演じてきたが、その間の上昇 率上位業種が23%高でトップの不動産をはじめ、保険は22%高で2位、 建設は16%高で6位、情報・通信は14%高で9位などとなっていた。

ECB理事会、今週末の米国雇用統計の発表など世界株の方向性 を決める可能性がある重要日程を前に、同期間のTOPIXの12%高 をアウトパフォームしていた業種は売り対象になりやすかった。

このほか石油・石炭製品、鉱業株も安い。仏ソシエテ・ジェネラ ルの市況見通しの引き下げなどを材料に、きのうのニューヨーク原油 先物が0.7%安の1バレル=87.05ドルと下げた影響を受けた。同先物 は、5日の時間外取引でさらに1ドル以上下げる場面もあった。石油 株では、JXホールディングスが3日続落。シティグループ証券では、 4-6月期業績の下振れと通期業績予想の下方修正の可能性に言及、 石油元売り株の先行きに厳しい見方を示した。

精密や機械は堅調

一方、精密機器や機械など輸出関連株の一角が上昇。4-6月期 業績は想定を上回ると予想し、大和証券が投資判断を上げたニコンが 高い。コマツや日立建機など建設機械株も上昇。クレディ・スイス証 券では、直近の国際商品市況の反発を受け、株価との関係などからリ バウンド期待が高まったなどと指摘した。このほか、増資を悪材料す る動きが一服した全日本空輸など空運株、銀行、倉庫株なども高い。

売買高は概算で14億2665万株、売買代金は8356億円で、代金は 6月19日以来の低水準。騰落銘柄数は上昇565、下落965。国内新興 市場では、ジャスダック指数が0.6%安の51.76と4日ぶりに反落、 東証マザーズ指数は0.5%安の359.26と3日続落した。