米国債:反落、製造業受注額の増加で景気失速懸念が弱まる

米国債相場は反落。5月の米製造業 受注額が3カ月ぶりに前月比で増加に転じたことを受け、景気回復が失 速しているとの懸念が弱まった。

前日は統計で予想外に製造業活動の縮小が示され、10年債は上昇し ていた。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ (RBS)によれば、過去20営業日で利回りが1.57-1.67%のレンジを 抜けたのは1日だけだった。今週発表される6月の雇用統計では非農業 部門雇用者数の増加幅が3カ月連続で10万人を割り込むと予想されてい る。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「リスクを取る流れから下押 し圧力がかかった」と指摘。「祝日を明日に控え、また欧州中央銀行 (ECB)の政策委員会や米雇用者数の発表が続くこともあり、レンジ 内取引となっている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後2時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01ポイント)上昇の1.63%。同年債(表面利率1.75%、2022年5 月償還)価格は3/8下げて101 3/32。利回りは前日、6bp低下した。 6月1日には過去最低の1.4387%を付けた。

4日は米独立記念日の祝日のため、3日の米国債市場は米証券業金 融市場協会(SIFMA)の勧告により午後2時までの短縮取引。4日 は終日休場となる。

タームプレミアム

米国債はこれまでで最も割高な水準に近づいていることが示唆され ている。FRBのエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプ レミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はこの日、マイナス0.89。6月1 日にはマイナス0.94と最も割高な水準を付けた。マイナスのタームプレ ミアムは適正水準を下回る利回りでも投資家が積極的に受け入れている ことを意味する。

米製造業受注額は5月に3カ月ぶりに前月比で増加に転じ、製造業 の失速懸念が和らいだ。米商務省が3日発表した5月の製造業受注額は 前月比0.7%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想の中央値は0.1%増だった。前月は0.7%減少(速報値0.6% 減)に下方修正された。

この日の米国債が下げた背景には、経済成長を底上げするため ECBが今週、利下げを発表するとの観測がある。これを受けて比較的 安全とされる米国債の需要が弱まった。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト予想によると、ECBは5日の発表で政策金利を0.25ポイント 引き下げ過去最低の0.75%とすると見られている。

リスクオンの「呼び水」

欧州連合(EU)首脳陣は先週の会議後、債務危機の収束へ向け救 済ルールを緩和し銀行同盟を検討すると発表。これを後押すECBの行 動に期待が集まっている。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャ ージー氏(ニューヨーク在勤)は「ECBが利下げすれば、リスクオン の呼び水になり得る」とし、「10年債利回りで言えば恐らく5-6bp の上昇になるだろう」と述べた。

ブルームバーグの調査によれば、6月の米雇用者数は9万人増、失 業率は8.2%で前月から横ばいが予想されている。米労働省は今週6日 に雇用者統計を発表する。

米供給管理協会(ISM)が前日に発表した6月の製造業景況指数 は49.7と、前月の53.5から低下したことを受け、前日の米国債相場は上 昇していた。同指数で50を下回ると活動の縮小を示す。

原題:Treasuries Drop as Rise in Factory Orders Decreases Haven Bets(抜粋)

--取材協力:Tj Marta、Keith Jenkins、Roxana Zega.