NY外為:円が下落、逃避需要が後退-刺激策期待で

ニューヨーク外国為替市場では、円 が主要16通貨のうちブラジル・レアルを除く全てに対して下落。成長押 し上げに向けて主要中央銀行が措置を強化するとの観測から高利回り資 産が選好され、円の逃避需要が後退した。

ドル指数は6日に米雇用統計の発表を控えてもみ合い。三菱東京 UFJ銀行など金融機関は、雇用統計を受けて金融当局による追加緩和 の可能性が強まるとの見方を示している。またブルームバーグ・ニュー スの調査では、欧州中央銀行(ECB)が利下げを決定すると予想され ている。この日はリスクテーク意欲の高まりから南アフリカ・ランドが 上昇。一方で、ブラジル・レアルは値下がり。ブラジル鉱工業生産の落 ち込みが影響した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリス ト、オマー・エシナー氏(ワシントン在勤)は「市場は依然として欧州 債務危機と米国の景気減速との間で綱引きの状態だ」と指摘。「ECB の利下げもしくは流動性供給オペに向けた議論が見られ、それがリスク 通貨の短期的な上昇につながっている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時15分現在、円はユーロに対し前日 比0.7%安の1ユーロ=100円72銭。対ドルでは0.5%下げて1ドル=79 円88銭。ドルは対ユーロで0.3%安の1ユーロ=1.2609ドル。

米製造業受注

米商務省が発表した5月の製造業受注額は前月比0.7%増加した。 これに反応し、ユーロは対ドルで上昇した。

ブルームバーグのエコノミスト調査では、ECBは5日の政策決定 会合で政策金利を0.25ポイント引き下げ0.75%に設定すると予想されて いる。イングランド銀行(英中央銀行)も同日に金融政策を発表する。

ロイズ・バンキング・グループの為替ストラテジスト、エードリア ン・シュミット氏は電話インタビューで、「市場はECBによる利下げ を期待している。またイングランド銀については、追加量的緩和の発表 を見込んでいる」と語った。

BNPパリバは、米国の雇用関連の指標が軟調なことから、金融当 局は新たな刺激策を導入する可能性があるとの見方を示した。

ドルは軟調

BNPパリバの為替ストラテジスト、メアリー・ニコラ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「一段のドル軟調を見込んでいる。市場が量的緩和を 織り込み始めていることが大きい」とし、「全ては経済指標次第だ。6 日発表される非農業部門雇用者数が鍵になるだろう」と続けた。

南アフリカ・ランドはドルに対し、5月11日以来の高値に上昇。主 要中銀が政策緩和を実施するとの観測から、南アフリカの輸出のほぼ半 分を占める商品の需要が高まったことが手掛かり。ランドは1%高の1 ドル=8.0775ランド。一時8.0619ランドを付けた。

ブラジル・レアルは大幅安。同国の鉱工業生産指数が予想以上に低 下したことで、中銀が利下げを加速させるとの見方が広がった。レアル は1.4%安の1ドル=2.0131レアル。

ブルームバーグのエコノミスト調査では、6月の米雇用統計での非 農業部門雇用者数は前月比9万人増と予想されている。5月は6万9000 人増だった。

三菱東京UFJ銀行のマネジングディレクター、村尾典昭氏(ニュ ーヨーク在勤)は、非農業部門雇用者数が9万人増では、失業率は上昇 すると指摘。米労働市場には赤信号が点滅しており、量的緩和第3弾の 可能性は高まっているとの見方を示した。

原題:Yen Drops on Prospects for Central Banks’ Stimulus; Rand Climbs(抜粋)

--取材協力:Tj Marta、大塚美佳、David Goodman.