英バークレイズCEOが辞任、LIBOR問題で圧力に屈服

英銀バークレイズの投資銀行事業拡 大を主導したロバート・ダイアモンド氏が3日、最高経営責任者 (CEO)を辞任した。同行が銀行間金利を操作したことを認めたこと で高まった引責辞任を求める政治的圧力に屈した形だ。

バークレイズの発表によると、ダイアモンド氏(60)は即時辞任す る。同氏は4日に英議会で証言する。また、ジェリー・デルミシエ最高 執行責任者(COO)も即時辞任することになった。一方、2日に会長職 を辞任する意向を表明していたマーカス・エイジアス氏がフルタイムの 会長となり、次期CEOの人選を率いる。

バークレイズは先月、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)操作 問題で過去最高の2億9000万ポンド(約360億円)の制裁金を科され た。ダイアモンド氏は2日、辞任圧力に抵抗する構えを示し、同行の LIBOR設定のプロセスについての調査結果を待ち改善を実施すると 表明していた。英当局はLIBOR問題で刑事捜査開始を検討してい る。

ショア・キャピタルの銀行アナリスト、ゲーリー・グリーンウッド 氏は電子メールで、「ダイアモンド氏の立場を擁護することは明らかに 不可能になった」とした上で、バークレイズは「同行の内外から新 CEOを探すとしているが、汚れてしまったイメージを一新するために は外部からの起用が最重要だと思われる」と指摘した。

ダイアモンド氏は1996年にバークレイズに加わり、2011年1月1日 付でCEOに就任していた。

バークレイズ株はこの日一時4.8%高となったが、ロンドン時間午 後2時45分現在は1.7%高の171.25ペンス。

適切な人材探し

メディオバンカの銀行アナリスト、クリストファー・ウィーラー氏 (ロンドン在勤)は「取締役会がもうたくさんだと感じ、批判が個人に 向かう瞬間はあるものだ」として、CEO辞任によって「銀行は一線を 引くことができる。今の最重要課題は、この問題に一切関わりのない適 切なCEOを見つけることだ」と話した。

エイジアス会長は2日、後任が見つかるまで会長職にとどまるとし ていたが、代わりにダイアモンド氏の後任探しをすることになった。バ ークレイズによると、同会長が最終的に退社する意向に変わりはない。

LIBOR操作問題をめぐる世界的な調査でこれまでに辞任に追い 込まれた中で、ダイアモンド氏とエイジアス氏は最高位の幹部。

ダイアモンド氏は発表文で「バークレイズに対する外部からの圧力 は、事業基盤を害するリスクとなるレベルに達した」とし、「それを許 すわけにはいかない。先週公表された事柄がバークレイズとその従業員 について作り出したイメージが、真実とあまりにも懸け離れていること を非常に残念に思う」と心境を説明した。

英政府は2日に、同国の銀行業界について議会が調査すると発表。 ダイアモンド氏は4日に、議会の財務特別委員会で証言することになっ ている。

オズボーン英財務相は3日、BBCラジオ4の番組でダイアモンド 氏の辞任について「バークレイズにとって正しい決定だ」とし、「これ が英国の銀行業界における新しい責任の文化に向けた第一歩となること を望む」と述べた。

ダイアモンド氏は問題のLIBOR操作が行われた時期にバークレ イズの投資銀行部門の責任者だった。2003年にジョン・バーリー氏に敗 れてCEO指名を逃し、05年に社長に就任。07年までには自身が率いる 投資銀行のバークレイズ・キャピタルを、全行の税引き前利益の31%を 稼ぐまでに育て上げた。バーリー氏が10年にCEOを退き、ダイアモン ド氏が登板することになった。

ダイアモンド氏はバークレイズばかりでなく英銀行業界の象徴とな り、10年にはマンデルソン英民間企業担当相(当時)が高報酬の同氏を 「受け入れ難い銀行業界の顔」と評していた。昨年の1200万ポンドの年 俸は英銀CEOの中でトップ。11年1月の議会証言では、銀行の「反省 と謝罪」の時代を終わらせるべきだと発言していた。

原題:Barclays Chief Diamond Quits After Record Libor- Rigging Fine (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE