全日本空輸株が急落し、52週安値 を更新した。2000億円規模の増資を実施する可能性が浮上し、1株価 値の希薄化や将来的な売り圧力の増大を警戒する売りが膨らんだ。

株価は午後の取引で急落基調を強め、一時前日比16%安の189円 まで下げ幅を拡大。終値は14%安の193円。東証1部の売買高で2位、 下落率でも前日に公募増資を発表して急落した川崎汽船に次ぐ2位と なり、エクイティファイナンス銘柄の急落ぶりが際立った。

事情に詳しい複数の関係者が3日、ブルームバーグ・ニュースに 対し明らかにしたところによると、全日空は2000億円規模の公募増資 を実施する方針。調達資金は財務体質の強化、新型機材の購入に充て る。今夕にも正式発表する見通し。全日空の公募増資は約3年ぶりで、 2009年7月の増資の際は1800億円超の資金を調達した。

これに先立ち、NHKは同日正午のニュースで、全日空が1千数 百億円から2000億円の増資を目指していると報じていた。

髙木証券の勇崎聡投資情報部長は、「2000億円規模の資金調達報 道が事実なら、現在の時価総額の4割に相当する巨大な金額。報道を 受けて急落するのは当然だ」と話した。さらに、株主総会直後にこう した大型公募増資を実施することは、「株主の立場からすれば若干疑問 が残るのではないか」とも指摘している。3日終了時点での時価総額 は4873億円。

独立系のバリューサーチ投資顧問の松野実社長は、「巨額の資金調 達を市場から行うには、株主を納得させる理由が必要だ。これだけ株 式マーケットの地合いが悪い時期に実施するのは、既存の株主には説 明がつかない」と述べた。また同氏は、「日本航空が好業績を上げてい ること、日航が秋にも再上場して潤沢な資金を得ることへの焦りもあ るのだろうが、全日空がきちんとした投資、財務についての計画を発 表するのを待ち、見極めたい」と言う。

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