野村証を政投銀の起債主幹事から除外-インサイダー関与影響

野村ホールディングス傘下の野村証 券が7月の政策投資銀行(DBJ)の財投機関債の主幹事から除外され たことが3日分かった。DBJは野村の複数の社員がインサイダー取引 に関与していた問題を受け、投資家や業務上の影響に配慮した。

政投銀広報担当の稲葉大介氏は、ブルームバーグ・ニュースの取材 に対して、野村側は「情報管理に問題があり、組織的に不備があった」 としており、起債に関して「投資家がちゅうちょする要因は排除すべき だと考えた」と除外の理由を明らかにした。

野村は2010年の国際石油開発帝石、みずほフィナンシャルグルー プ、東京電力の3社の公募増資情報を営業員4人が機関投資家などに漏 らした問題で先月29日、外部弁護士による調査結果を公表。機関投資 家向け営業部門の幹部などが引き受け部門の社員から未公開情報を「半 ば恒常的に」取得していたことなどが判明。収益に数値目標を掲げ「そ の達成には手段を選ばないという営業体制」も明らかになっている。

野村の菅井馨子広報担当は同社が除外された理由についてコメン トする立場にないとして言及を控えた。

さらなる発注停止も

政投銀は5月に、3年、5年債の起債に向け野村、大和証券、み ずほ証券を主幹事に起用していた。今回、事務主幹事を務めるみずほ証 によれば、政投銀は野村の代わりに三菱UFJモルガン・スタンレー証 券を起用した。

SMBCフレンド証券の中西文行シニアストラテジストは、「法令 違反を行った証券会社に対して発注を止めるのは欧米では当たり前。グ ローバルスタンダードである以上、今後は海外の年金ファンドだけでな く国内企業からもトレーディング発注や引き受け業務委託の停止が見 込まれ、業績悪化は否めない」と指摘した。また「一部の客だけにイン サイダー情報を教えるというのはモラル上、個人投資家からも理解を得 られないだろう」と述べた。

調査の継続で実態解明を

野村の渡部賢一最高経営責任者(CEO)は29日夕、会見を開き、 自身の報酬の50%6カ月間カットを中心とする社内処分や一部営業自 粛、外部調査委員会による調査結果を発表した。同氏は顧客の信頼を回 復することが急務だと強調し、引責辞任については否定した。会見後記 者に3事案以外に情報漏えいがなかったかは、分からないと述べたもの の、弁護士などによるこれ以上の外部調査の計画はないと繰り返した。

SMBCフレンド証券の中西氏は、「経営トップを減給して終わり というわけにはいかないだろう。ほかに事案はなかったのか、個人が引 き起こしたのか組織なのか、明確にする必要がある」と述べ、外部調査 の必要性に言及した。

To contact the reporters on this story: Takahiko Hyuga in Tokyo at thyuga@bloomberg.net; Shigeru Sato in Tokyo at ssato10@bloomberg.net

To contact the editor responsible for this story: Kazu Hirano at khirano1@bloomberg.net