川崎船株が1カ月ぶり安値へ急落、公募増資で希薄化警戒-東京市場

川崎汽船株が1カ月ぶり安値の水準 まで急反落。前日に新株発行などを通じ、最大で586億円の資金を調 達すると発表。1株価値の希薄化、将来的な売り圧力の増大が懸念さ れる中、一部アナリストからは唐突な発表だとして投資判断を引き下 げる動きもあり、株価の下げピッチに拍車が掛かった。

株価は一時、前日比17%安の130円と6月4日(128円)以来の 安値水準。日中下落率は、東日本大震災直後の昨年3月15日(18%) 以来、約1年4カ月ぶりの大きさを記録した。

川崎船は2日発表の資料で、公募増資と第三者割当増資を実施し、 手取り概算で最大286億円、格付け会社が50%を資本性があると認め る劣後ローンで300億円を調達するとした。公募増資での調達資金は 13年3月期末までにドライバルク船、自動車船等の不定期専用船を主 とする設備投資資金に充当予定。劣後ローンでの調達部分は船舶建造 や船舶買い取り資金、有利子負債の返済などに充てる。公募増資など の実施で、発行済み株式総数は最大で現状から26%増える。

シティグループ証券では2日、投資判断を従来の「買い」から「中 立」に、目標株価を190円から155円に引き下げた。新目標株価は、 2013年3月期予想ベースの1株純資産の0.55倍水準。

舩江輝アナリストは投資家向けリポートで、「このタイミングでの 増資発表は唐突で、短期的にはネガティブな反応が予想される」と指 摘。ただ、潜在的な懸念材料が消失したことや課題だった財務体質強 化につながる点、今後外部環境が大幅に悪化した際の資金調達リスク が軽減された点などを踏まえれば、「大幅な株価下落は免れる」との見 解を示した。