円が反落、アジア株堅調でリスク回避緩む-対ドル79円台後半

東京外国為替市場では円が反落。対 ドルでは1ドル=79円台後半に水準を切り下げた。世界的な景気減速を 受けて、各国当局による金融緩和期待が先行する中、アジア株の堅調推 移を背景にリスク回避に伴う円買い圧力が緩和した。

ドル・円相場は午前8時半すぎに79円41銭まで円高が進んだ後、じ りじりと円が水準を切り下げ、午後には一時79円85銭まで下落。午後3 時50分現在は79円79銭付近で推移している。円は対ユーロでも1ユーロ =99円89銭を上値に、100円71銭まで売られ、同時刻現在は100円61銭付 近で取引されている。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、米国も含 めて株式市場では量的緩和第3弾(QE3)期待が先行している感があ るとし、欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合でも利下げが見込まれ ているが、「欧州経済のてこ入れ」ということで、ユーロ買いの反応に つながる可能性があると指摘。その上で、この日の東京市場では全般的 に株が堅調だったので、特段材料がなければクロス・円(ドル以外の通 貨の対円相場)を中心に円が売られてもおかしくないと説明している。

ユーロ・ドル相場は午後の取引にかけて、ユーロ買いが優勢とな り、一時は1ユーロ=1.2614ドルと、朝方に付けた日中の安値1.2575ド ルから、水準を切り上げた。

ECB会合や米雇用統計を見極め

今週は5日に欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合が開かれる が、ブルームバーグがまとめた市場予想では、政策金利が現行の1%か ら0.75%に引き下げられる見通し。

また、6日には6月の米雇用統計が発表される。3日時点の市場予 想によると、非農業部門の雇用者数は前月比で9万人の増加と、前月の 6万9000人増を上回る伸びが見込まれている。

一方、この日のアジア時間に中国国家統計局と中国物流購買連合会 が発表した6月の非製造業購買担当者指数(PMI)は56.7と、5月 の55.2から上昇。また、豪州の5月の住宅許可件数は前月比27.3%増 と、前月の8.7%減からプラスに転じ、市場予想の5%増を大幅に上回 った。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧米の金融緩和 期待が徐々に強まって、世界的に株価が堅調になってくると、「リスク 回避という動きが少し止まる」と指摘。アジア時間では、豪経済指標が 市場の予想を超えており、豪ドルはファンダメンタルズ(経済の基礎的 諸条件)の良さを反映した動きになっているとし、中国の良好な指標も 相まって、クロス・円を中心に円がじりじりと水準を切り下げる展開を 見込んでいた。