日本株は反発、米欧政策期待で金融、輸出関連買い-増資警戒が重し

東京株式相場は反発。経済統計の低 調を背景に米国、欧州などの政策発動期待が広がり、銀行や保険とい った金融株、電機やゴム製品、精密機器など輸出関連株中心に高い。 特に銀行はTOPIXの上昇寄与度でトップ、東証1部33業種の上昇 率で2位と上げが目立った。

TOPIXの終値は前日比7.77ポイント(1%)高の777.11、 日経平均株価は63円11銭(0.7%)高の9066円59銭。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「景気はある程度悪い との想定を織り込んで株価は下落していた」と指摘。欧州の債務、金 融システムなどへの懸念材料が縮小する中で、「市場はこれまでのリス ク回避からリスク選好へと流れが変わると見ている」と言う。

米供給管理協会(ISM)が2日に発表した米国6月の製造業景 況指数は、49.7と前月の53.5から低下した。ブルームバーグがまと めたエコノミスト予想の中央値は52.0だった。製造業活動の拡大と縮 小の境目を示す50を下回るのはほぼ3年ぶり。

これまで景気回復のけん引役とみられてきた米国の製造業に失速 のリスクが高まった半面、りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬 浩一チーフ・ストラテジストは、「予防的に動く金融政策によって、景 気の下押しが深くないという期待を生んでいる」とも話した。

また、きのうの欧州債市場では、イタリアとスペインの国債が上 昇。ユーロ圏失業率が過去最悪となり、欧州中央銀行(ECB)が5 日の理事会で危機対応策を打ち出すとの観測が広がった。

実体経済悪と緩和期待のバランス

為替市場では円が落ち着いた動きとなる一方、アジア株市場も堅 調に推移し、この日のTOPIX、日経平均は終始プラス圏を維持し た。SMBCフレンド証券の中西文行シニアストラテジストによると、 「実体経済悪と追加緩和期待の微妙なバランスの上に株価指数が置か れている」という。

上げが目立ったのは金融株で、保険と銀行は東証33業種の上昇率 1、2位を占有。「欧州当局が危機対応に動きだしたことで、下げ過ぎ た金融株のウエートを中立に戻そうという動きや買い戻しが出ている」 と、東洋証券の大塚竜太情報部長は指摘した。銀行株については、業 績やバリュエーションの評価から大和証券が大手銀行セクターや個別 メガバンク3グループの投資判断をそれぞれ引き上げる材料もあった。

増資懸念で下落業種も

もっとも、増資に対する懸念は一部業種で投資家心理を冷やす場 面も見られた。予想外の増資発表が嫌気され、シティグループ証券な ど一部アナリストの格下げも加わった川崎汽船が急落。連想の動きか ら、日本郵船や商船三井など他の海運株も売られ、海運は業種別下落 率で2位。

また、1千数百億円から2000億円の増資を目指しているとNHK が3日正午のニュースで報じた全日本空輸も午後に急落。同様に、業 界の過当競争による増資リスクが意識されたパルプ・紙指数も午後に なって下げに転じた。

東証1部の売買高は概算で17億1874万株、売買代金は同9395 億円。値上がり銘柄数は1224、値下がりは332。業種別33指数では、 金融のほか、ゴム製品、食料品、卸売、医薬品、電気・ガスなどが上 昇率上位。空運、海運、パルプ・紙、鉄鋼などは安い。

--取材協力:久保山典枝 Editor:Shintaro Inkyo

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