三菱航空社長:小型ジェットMRJ受注250機目指す-現在より倍増

三菱重工業子会社の三菱航空機は開 発中の小型ジェット旅客機「MRJ」について、2013年10-12月期に予 定している試験飛行までに最大250機程度の受注を目指すことを明らか にした。目標は現在の約2倍となる。米国、アジア中心に営業を積極化 し、1機でも多くの受注獲得に結び付けたい考えだ。

三菱航空機の江川豪雄社長がブルームバーグ・ニュースとのインタ ビューで述べた。同社の受注は現在130機。江川社長は「はっきりした 数字は言いにくいが、このままでは少なすぎる。来年末までに受注数 を200機から250機程度まで引き上げたい」として試験飛行の実施までに は大幅な受注増を実現する考えを示した。

MRJは国産旅客機としては戦後初の旅客機YS-11以来約50年 ぶりの挑戦となる。炭素繊維複合材料を活用し、機体の軽量化を図るな ど最先端の素材や技術による工夫で、従来の同型機より約2割燃費性を 向上させる計画。日本航空機開発協会の市場予測では、60席から99席の リージョナルジェット機市場は2011年は1810機だが20年後には4100機を 超えるとしている。

江川社長は「経済情勢が非常に悪くて欧州航空会社は機材の買い替 えや買い増しの動きがあまり顕著ではない。回復するのにかなり時間が かかるかもしれない」としながらも、MRJに対する「米国やアジアか らの需要は現状でも変わっておらず依然として引き合いは強い」とい う。さらに試験飛行も成功させ、その後の受注獲得に向けた流れを固め たいとした。同社長はまた、「受注獲得に向け前向きに進んでいるとい うことを発表しようと考えている」とも述べた。

納期延期

同社は4月、製造工程や開発の遅れなどを理由にMRJ完成までの 計画を延期すると発表。試験飛行を従来の12年4-6月から13年の10 -12月、初納入を14年1-3月の予定から、15年度の半ば-後半にずら すとした。今回の延期は09年9月に追加設計作業のため計画を延長して 以来2度目となる。

MRJの受注は現在、全日本空輸から25機、米トランス・ステー ツ・ホールディングス社から100機、香港をベースとする航空機リー ス・整備会社であるANIグループホールディングスから5機。昨年6 月のANIの受注を最後にほぼ1年間、獲得できていない。江川社長 は、営業上の弱点として「われわれの飛行機はまだ実機が存在していな いことだ」と説明した上で、今回設定し直したスケジュールについて 「納期は確実に守る」と強調した。

さらに現在まで、納期延期について既存の顧客に説明しており「キ ャンセルの動きはない」と述べた。賠償などについての顧客対応は「守 秘義務がありコメントできない」とした。

ライバル社との競争

納期が最大2年程度遅れ、MRJの性能に匹敵するライバル社の新 型航空機が先に完成する可能性もあるが、同社長は他社より前に「ぎり ぎりで間に合う形だ」との認識を示した。世界の小型ジェット機市場で は、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエルの2社がほぼ独 占している状態。三菱航空機はMRJの投入で中長期的には市場シェア で一定の割合を安定的に確保したい考え。

江川社長は、9日から開催される英国ファンボローの航空ショー に、プレミアムシートを装備した機体の実物大の模型を持ち込み、より 完成機材のイメージを高めて販売促進につなげたいという。同シートの 実物の公開は今回が初めてとなる。