米国債:1カ月ぶり大幅高、製造業統計が活動縮小を示す

米国債相場は急伸。10年債と30年債 の利回りは1カ月ぶりの大幅な低下となった。6月の経済統計で予想外 に製造業活動の縮小が示され、景気回復が失速しているとの懸念が高ま った。

米国債は先月29日の下げを埋めた。前週は欧州連合(EU)首脳会 議で域内の債務危機収束へ向けた措置拡大が合意されたことを受け、安 全資産の需要が減退していた。ニューヨーク連銀は2日、借り入れコス ト抑制策の一環として米国債18億1000万ドル相当を購入した。

バンク・オブ・ノバスコシアの金利ストラテジスト、ガイ・ヘーゼ ルマン氏(ニューヨーク在勤)は「今後2-3カ月はリセッション(景 気後退)入りしないが、明らかに世界的に景気が勢いを失っている」と 指摘。「年末にかけての国債利回りには下押しリスクがかかるだろう」 と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後4時21分現在、10年債利回りは前営業日比6ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下して1.59%。一時は9bp下げる場面も見ら れた。30年債利回りは6bp低下の2.69%。一時は10bp低下。先月29 日には8bp上昇していた。

先月1日には10年債利回りは11bp、30年債利回りは12bpそれぞ れ低下した。

景気後退の兆候

米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業景況指数は49.7 と、前月の53.5から低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 予想の中央値は52.0だった。同指数で50は製造業活動の拡大と縮小の境 目を示す。

今週発表される雇用統計では非農業部門雇用者数の増加が3カ月連 続で10万人を割り込むと予想されており、ここでもやはり世界最大の経 済国で景気が冷え込みつつある兆候が示唆されている。

RWプレスプリッチの政府・機関債取引担当マネジングディレクタ ー、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は、「米国内でも海 外でも景気の減速が目立ってきた」と指摘。「依然として欧州の政治情 勢が材料視されている。先週金曜に一歩前進したが、あくまでも小さな 一歩だ。欧州では米国に輪をかけて、細部に予想外のわなが潜んでいか ねない。米国債の売り持ちは勧めない」と述べた。

ニューヨーク連銀のウェブサイトによると、同連銀はこの日、オペ レーションツイスト(ツイストオペ )の一環として、償還期限が2036 年2月から42年5月までの米国債を購入した。

低利回り続く見通し

先月開催された連邦公開市場委員会(FOMC)は、ツイストオペ を年末まで延長し、規模を2670億ドル拡大することを決定した。6月末 で終了した当初の計画は、4000億ドル規模の短期国債を売って期間が長 めの国債を同額購入するものだった。

償還までの消費者物価の予測値を示す10年債と同年限のインフレ連 動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.08ポイ ント。年初来最高は3月20日につけた2.45ポイント。1月3日に付け た1.9ポイントが今年最低水準となっている。

バークレイズは顧客向けリポートで、債務危機収束を図り先週ブリ ュッセルで開催されたEU首脳会議(サミット)で見られた取り組み は、米国債利回りが低水準を維持するとの見方を変えるほどではなかっ たと述べた。

バークレイズのアナリスト、アンシュル・プラダン氏とヴィヴェ ク・シュクラ氏(ニューヨーク在勤)は2日、債券見通しリポートで、 「先週金曜の売り浴びせが続くとは当社は考えていない」とし、「長期 にわたり低利回りが続くとの見方に変わりはない」と記述した。

原題:Treasuries Climb Most in Month as U.S. Manufacturing Contracts(抜粋)