ゴールドマンの元バンカー、英病院改革に一役-昼食はホタテ

英政府が運営する医療システムの下 で、ヒンチングブルック病院は議会で「にっちもさっちもいかないケー ス」と呼ばれていた。米ゴールドマン・サックス・グループの元バンカ ー、アリ・パルサ氏は、民間企業が国より優れた医療を提供できること を示そうとしている。

パルサ氏は、患者への食事提供に至るまで英国の病院の運営方法を 変えたいと考えている。同氏は、現在はサークル・ホールディングスの 最高経営責任者(CEO)だ。同社は2月、英国の公的医療制度である 国民保健サービス(NHS)の事業を引き継いだ初の営利企業となっ た。この時、ロンドンの北約70マイル(約113キロメートル)のハンテ ィントンにあるヒンチングブルック病院の運営を始めた。NHS事業を さらに多く運営する契約を締結するため、先月には4600万ポンド(約57 億5000万円)を調達した。

パルサ氏(47)はサークルのロンドン本社でインタビューに応じ、 「病院の運営方法を変えることなどできないし、NHSスタッフの働き 方を変えることは決してできないと皆に言われた。われわれはこれらを 根本的に変革してきた」と語る。

米国で医療サービスにおける政府の役割のあるべき姿が議論される 一方、英国では64年前に創設された公的医療制度の一部が徐々に民間の 手に委ねられつつある。患者への治療内容の改善とコスト削減を目指す ためだ。キャメロン英首相はNHSを改善するためには選択肢と競争を 増やす必要があると指摘。一方、民間委託に反対するロンドン大学クイ ーンメアリー校の研究員、アリソン・ポロック氏は、国営病院に利益優 先の姿勢が植え付けられれば患者のニーズが最優先されなくなると主張 する。

数字に表れる成果

医療面から見れば、パルサ氏は正しいことをしているようだ。ヒン チングブルック病院の救急処置室での待機状況は国内最下位から最上位 へと浮上。整形外科の緊急性の低い患者の入院期間は38%短縮し、満床 問題が解消している。サークルによると、投薬ミスなどの深刻なケース は5月に80%減少。今年の仕入費用は150万ポンド節約できる見通し だ。

サークルがイングランド南西部のバースで運営する病院では近隣の 5つ星ホテル、ラックナム・パーク・ホテル・アンド・スパからホテル マネジャーとシェフを雇い入れた。最近患者に提供されたランチでは、 ホタテ貝とカニにハーブとキュウリを添えたサラダの後、主菜として軽 くあぶったサーモンが出され、デザートにはレモン風味のミルク酒が付 いたという。

原題:Goldman Ex-Banker Serves Up Scallops in U.K. Hospital Shakeup(抜粋)

--取材協力:Kristen Hallam.

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