スペイン:銀行収益を過大評価、支援要請額は少な過ぎる恐れ

銀行の損失を何年にもわたって過小 評価してきたスペイン政府は、リセッション(景気後退)局面で銀行が 確保できる利益を過大に見積もる方向にある。

スペイン政府の委託で国内銀行のストレステスト(健全性審査)を 実施したコンサルティング会社2社のうちの1社オリバー・ワイマン は、今後3年間の損失額を2740億ユーロ(約28兆円)と試算した。同社 は、経済成長率がマイナス6.5%となる悲観的なシナリオでも、貸倒引 当金の計上前で銀行収益は年間230億ユーロと、2011年実績並みになる と予想している。

スペインの二大銀行であるサンタンデール銀行とビルバオ・ビスカ ヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は、国外で収益の大半を稼ぐが、 より規模が小さい銀行は国内事業に頼っている。大方の銀行は、住宅ロ ーンで稼ぐ金利より預金に支払う金利の方が高い。最も収益性が高いの は、欧州中央銀行(ECB)から金利1%で借り入れてスペイン政府に 6%で貸し出す取引だが、これは同国を破綻させるリスクを伴う。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の 欧州マクロクレジット調査責任者アルベルト・ガロ氏(ロンドン在勤) は「景気の悪化が続けば、二番手グループの銀行は収益を生み出せず、 損失はさらに拡大する」とした上で、「損失の穴埋めに終わりはない。 最終的に、こうした銀行が最後のとどめを刺すことになろう」と語っ た。

収益を過大に見積もることで、スペインが銀行の資本増強で欧州連 合(EU)に求める金融支援は少な過ぎる恐れもある。そうなれば、同 国銀行システムに対する市場の信頼を取り戻せないリスクが高まるほ か、2010年以降の過去4回の取り組みと同じように一時的な小休止にと どまる可能性がある。

欧州連合(EU)はスペインの銀行支援で最大1000億ユーロを提供 することを決めている。

オリバー・ワイマンとローランド・ベルガー・ストラテジー・コン サルタンツは、銀行の資本不足額が260億-620億ユーロになると試算し た。これはスペインの要請額を決定する上で重要な要素となる。2社に よる詳細な審査が9月に完了した後に、具体的な金額が決定する。

原題:Spain Overestimating Bank Profit Risks Seeking Too Little Relief(抜粋)

--取材協力:Charles Penty、Joe Brennan.

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