ユーロの苦難はあと1年続く可能性、通貨オプションが示唆

欧州連合(EU)首脳会議でスペイ ンとイタリアの支援確保を容易にする措置が承認された後、ユーロ相場 はここ8カ月で最大の上昇を演じたものの、デリバティブ(金融派生商 品)トレーダーはユーロの苦難が少なくとも1年は続くと見ている。

ユーロは6月29日に対ドルで一時2%上昇したが、オプション・ト レーダーによる向こう1年間の対ドル相場見通しは、今後90日の見通し と比較して依然これまでで最も弱気な水準のままとなっている。ブルー ムバーグが調査したエコノミストとストラテジスト50人余りによる年末 のユーロ相場予想の中央値は少なくとも2007年以来最低の水準に低下し ている。

EU当局者はスペインとイタリアの国債市場に即効性のある救済策 を打ち出したものの、ドイツのメルケル首相は借り入れコストの低減や 危機収拾のために域内各国が支持する共同債には反対する姿勢を貫い た。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と今後始動する欧州安定 化メカニズム(ESM)の2つの救済基金はイタリアとスペインの債務 残高合計の約2割にすぎないとみられる。

モルガン・スタンレー・スミス・バーニーのジェフ・アップルゲー ト最高投資責任者(CIO)は、「これは依然、長々と続く問題になろ う」と述べ、「長期的には、ユーロを存続可能な通貨にするために必要 なのは欧州における財政統合だ。それには程遠い状況にあるため、ユー ロの価値は下がるだろう」と語った。

アップルゲート氏はユーロが先週の1ユーロ=1.2667ドルから今後 1年で1ユーロ=1.20ドルを割り込むと予想した。

ユーロ圏が債務にあえぐ中、今年の欧州経済は09年以降で初の縮小 となる見通しで、ブルームバーグが集計した予想中央値ではマイナ ス0.4%成長と見込まれている。

ドイツ銀行によると、4月までの半年間にユーロ圏から流出した投 資マネーは月平均80億ユーロ(約8000億円)。月平均で470億ユーロが 流入した昨年7月までの半年間と比べると、資金フローの記録的な逆転 となっている。

ドイツ銀行の通貨ストラテジスト、ジョージ・サラベロス氏は6 月29日のインタビューで首脳会議で進展はあったものの、「特効薬」は なかったと述べた。

ユーロは先週、対ドルで0.8%上昇し、今年の下げは2.3%に縮小し た。

原題:Euro Options Show a Year More of Pain on Record Flow Reversal(抜粋)

--取材協力:James G. Neuger、Simon Kennedy.

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