米ゴールドマン・サックスは日本の 不動産市況が底値圏と判断して私募不動産投資信託(リート)の運用を 開始、最大3000億円程度の資産規模を目指す。ゴールドマン・サック ス・アセット・マネジメント戦略マーケティング部のタロー・スクワイ ヤーズバイス・プレジデントがインタビューで語った。

私募リートは最大300億円の資産規模で8月に運用を開始、5年以 内に10倍に拡大させる意向だ。オフィスビルが6割以上で残りが賃貸住 宅と商業施設、東京の物件を中心に投資する。スクワイヤーズ氏は「日 本の不動産市況の底値は近い」と予想、「向こう半年か1年以内に底値 を打つと考えている」と述べた。

日本の不動産会社の私募リート組成は相次いでいる。3月に約760 億円で運用を開始した三井不動産グループのリートは3年後に2000億円 規模までの拡大を狙う。三菱地所や野村不動産も、国内年金基金など機 関投資家の投資ニーズを背景に運用に乗り出した。ここにゴールドマン も加わることになる。

米不動産サービスのCBREグループ幹部アンディ・ハーファート 氏は東京の不動産価格について、07年のピーク時から約40%下落後に今 年は横ばいで推移、市況が安定しつつあるとの見方を示した。こうした 中でスクワイヤーズ氏は「私募リートはこれまで市場に足りなかった商 品で、とても成長性がある分野だ」と述べた。

地価一部上昇の動き

国土交通省が集計した4月1日現在の四半期地価動向では、地価は 下落基調からの転換に向けた動きがみられ、東京都中央区銀座の商業地 が3年9カ月ぶりに上昇に転じた。またオフィス賃貸仲介業の三鬼商事 がまとめた5月末の都心オフィスの平均賃料はリーマンショック以降で 初めて上昇に転じた。

日銀が金融緩和の強化や日本版不動産投資信託(Jリート)の買い 入れを続ける中、不動産株や東証REIT指数は安定した値動きをして いる。TOPIX不動産業指数は年初以降の上昇率は19%、東証 REIT指数は14%とTOPIX指数の1%を上回っている(22日終 値)。