米国債、需要は過去最高ペース-利回り低水準は長期化も

投資家は過去最高のペースで資金を 新発の米国債に投じている。オバマ大統領とロムニー前マサチューセッ ツ州知事が対決することが事実上決まっている11月の米大統領選では、 財政緊縮よりも経済成長が大きな争点となりそうだ。

ブルームバーグのデータによると、利回りが過去最低水準に達して いるにもかかわらず、米財務省が今年これまでに実施した1兆750億ド ル(約86兆円)の米国債入札での応札倍率は3.16倍。過去最高を記録し た2011年通年の3.04倍を上回っている。財政収支が黒字だった1998年か ら2001年は2.26倍だった。

金融危機に見舞われる中で米国の公的債務が10兆5000億ドルと09年 の5兆7500億ドルから急増したとして、ロムニー氏ら共和党側はオバマ 大統領の財政運営を攻撃しているものの、米国債市場はドル資産の安全 性に対する投資家の信頼の高まりを示す形となっている。

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのリック・リーダー最 高投資責任者(CIO)は6月29日の電話インタビューで、「米連邦準 備制度理事会(FRB)が積極的に動く米金融システムは安定している との見方に加え、経済規模が15兆ドル超と大きい米国は投資先として厚 みがあり流動性が高く強い地域だと引き続き見なされるだろう」とし、 「利回りは長期間にわたって低水準にとどまる」と予測した。

米10年債利回りは先週、3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下して1.65%。11年末時点では1.88%で、3月20日には年 初来の高水準となる2.4%を付けていた。同年債(表面利 率1.75%、2022年5月償還)価格は8/32上げて100 30/32。6月28日の 7年債入札(発行額290億ドル)では、最高落札利回りが過去最低とな る1.075%となった。

ドル建て資産が人気

米国債の新発債への需要が加速しているのは、世界の準備通貨であ るドル建ての資産を投資家が求めているためだ。ドルは3月末以降、対 ユーロで5.3%、対ポンドで1.9%それぞれ上昇した。欧州の債務危機が 悪化し英国が再びリセッション(景気後退)入りしたほか、米景気が冷 え込んだことが背景にある。

ブルームバーグのデータによると、ボラティリティ(変動性)を考 慮したリスク調整後のリターンで米国債は、ドイツや英国、日本、カナ ダ、スイスなど主要国の国債を上回っている。ドルは3月末以降、リス ク調整後のリターンで円に次ぐ2位だ。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ債券ストラ テジスト、ジェームズ・コーチャン氏は6月28日の電話インタビュー で、ドルは「安全な逃避先で、ドルを買うと一般的には米国債に投資す ることになる」とし、実際には一体の取引だとの見方を示した。

原題:Bond Market Backs Obama With Record Demand on Growth Concern(抜粋)

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