ユーロ反落、EU首脳会議後の上昇続かず-危機打開に懐疑的

東京外国為替市場ではユーロが反 落。先週末は欧州連合(EU)首脳会議での危機対策合意を好感してユ ーロが急反発したが、欧州債務危機に対する不安が完全に払しょくされ ない中で、ユーロ買いは続かなかった。

ユーロは対円で前週末に6月21日以来の高値1ユーロ=101円39銭 まで急伸したが、週明けの取引では100円34銭まで反落。ユーロ・ドル 相場も前週末に付けた同21日以来のユーロ高値1ユーロ=1.2693ドル付 近から、一時1.2612ドルまで値を切り下げた。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斎藤裕司氏 は、首脳会議の結果については、真の勝者はドイツだとする報道も出て おり「あまりバラ色ではないといった感じで、利食いが先行している」 とユーロの反落を説明した。

ドル・円相場は米長期金利の上昇を背景に前週末に1ドル=79円99 銭と6月25日以来の水準まで円安が進んだが、この日の東京市場では円 がじり高となり、午後には79円50銭を付けた。斎藤氏は、実需の円売り が一巡する中で、山口広秀日銀副総裁から追加緩和の示唆もなく、「そ うなると日銀短観が意識される可能性もあるため、朝に円のショートを 仕込んでしまった短期勢の投げが考えられる」と話した。

危機打開ではない

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン理事は、欧州は債務危機を脱 したわけではないと警告し、欧州安定化メカニズム(ESM)だけでは 危機を解決できず、欧州各国政府は引き続き改革を推進する必要がある と訴えた。独紙ビルトがインタビューでの発言として報じた。

ユーロ圏首脳は先週、スペインの銀行向け緊急融資の返済取り決め を緩和するとともに、イタリアが対象となる可能性がある支援の条件を 緩めることで合意した。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、首脳会議の合意について「決定的に状況を打開するもの があるかというとない」とし、最も好感された救済基金による銀行への 資本注入も「域内銀行監督の統一化が必要条件となっており、これが年 内ということは、最短でいっても銀行への直接資金注入は来年というこ とになり、そんな余裕がそもそもあったのかという話だ」と指摘した。

ECB会合、米雇用統計

こうした中、欧州では5日にECBの定例理事会が開かれる。市場 では少なくとも0.25ポイントの利下げで政策金利を過去最低の0.75%に することや、銀行に流動性の活用を促すために現行0.25%の中銀預金金 利を引き下げるとの観測が強まっている。

一方、米国では2日発表の米供給管理協会(ISM)製造業景況指 数や週末の雇用統計など注目の経済指標の発表が相次ぐ。

みずほコーポ銀の唐鎌氏は、雇用統計で下げ止まりが見られれば、 株高となり、ユーロにとっても支援材料となるが、買い戻しでユーロが 上がったところは「戻り売りのチャンスと思った方がいい」と話した。

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(日銀短観、6月調査) で、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はマイナス1と前回3月調 査のマイナス4から改善した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト調査の予想中央値は前回から横ばいのマイナス4だった。大 企業・非製造業DIはプラス8と前回調査から3ポイント改善し、予想 中央値(プラス7)も上回った。12年度の想定為替レートは通期78円95 銭。3月調査では78円14銭だった。

日銀の山口副総裁は2日午後、都内で行われた日中関係をめぐる討 論会で、欧州債務問題に関連し、大幅な円高が生じれば、「企業業績の 悪化を通じ、国内景気を下押す可能性がある」と述べた。

FXプライムの上田眞理人専務取締役は、ドル・円の80円台は「非 常に重い」とし、「米雇用統計がまたしても良くなければドル売りに拍 車がかかる」可能性があり、その場合ドル・円の「78円台もある」と話 した。

--取材協力 石川茉莉子 Editors: 青木 勝, 持田譲二

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