短観:大企業・製造業の景況感が3期ぶりに改善-予想も上回る

日本銀行が全国の企業1万社以上を 対象に行った企業短期経済観測調査(短観、6月調査)は、大企業・製 造業が3期ぶりに改善した。大企業・非製造業も4期連続で改善。いず れも市場の予想を上回った。

2日発表された四半期に1度の短観で、景気が「良い」と答えた企 業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断指数(DI)は、 大企業・製造業がマイナス1、大企業・非製造業はプラス8と、いずれ も3月の前回調査から3ポイント改善した。ブルームバーグ・ニュース の予想調査では、それぞれマイナス4、プラス7が見込まれていた。3 カ月先の見通しはそれぞれプラス1、プラス6を見込んでいる。

日銀は6月の金融経済月報で、景気は「復興関連需要などから国内 需要が堅調に推移する下で、緩やかに持ち直しつつある」として判断を 一歩前進させる一方、海外経済は「全体としてなお減速した状態から脱 していない」と指摘。国際金融市場についても「欧州債務問題をめぐる 懸念などから神経質な動きが続いており、当面十分注意してみていく必 要がある」として警戒感を強めている。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは発表を受け「短観では、 緩やかな改善が続く国内需要に支えられた『非製造業』に加えて、海外 経済減速が重しとなっている『製造業』も堅調に改善した」と指摘。 「海外経済の減速や輸出・生産の減速傾向を踏まえると、輸出関連製造 業を取り巻く経済環境の厳しさが増していると予想していたことから、 今回の製造業の改善はポジティブに捉えている」と評価している。

設備投資も上方修正

中小企業の業況判断DIは、製造業がマイナス12と2ポイント悪 化、非製造業はマイナス9と2ポイント改善した。先行きはいずれもマ イナス15を見込んでいる。2012年度の大企業・全産業の設備投資計画は 前年度比6.2%増と前回調査(0.0%)から上方修正された。

12年度の想定為替レートは通期1ドル=78.95円、上期78.98円、下 期78.93円。回答期間は5月29日-6月29日。調査対象企業は1万0792 社で回答率は99.0%。短観発表直後の円相場は反応薄。発表前とほぼ変 わらず1ドル=79円台後半で推移している。

日銀は2月の金融政策決定会合で、消費者物価指数の前年比上昇率 1%が見通せるまで強力に金融緩和を推進していくと表明。10兆円の長 期国債買い入れ増額を決定し、4月27日の会合でさらに10兆円の買い入 れを上乗せした。日銀は11、12日に金融政策決定会合を開く。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは短観の結果を受け て「世界景気減速の余波が、日本に及んでいる兆しは見受けられない。 日本経済が改善をたどっているという日銀による景気判断を短観が裏付 けた格好」と指摘。「7月の日銀による追加金融緩和が見送られる可能 性が高まった」としている。

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