ジェットスターJがテイクオフ-成田拠点では初のLCC就航

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日本航空が出資している格安航空会 社(LCC)のジェットスター・ジャパンがきょう、運航を開始した。 成田国際空港から札幌へ第1便が午前8時47分に飛び立った。成田と関 西国際空港を拠点に国内、国際ネットワークを構築し、価格と利便性で ブランド力を高め、LCC市場での存在感を強固なものとする方針だ。

同社は8月末までに、国内線で成田、大阪、札幌、福岡、沖縄の5 都市を結んで就航する。LCCではすでに全日本空輸系のピーチ・アビ エーションが関空を拠点に運航を開始しているが、成田を拠点とした路 線はジェットスターJが初めて。

運賃は従来の航空会社よりも最大50%安くし、国内最低水準に設定 する。加えて、他社よりも常に安い値段に設定する最低価格保証制度を 設けていることが最大の特徴だ。家電量販店などが採用しているが、航 空業界では初となる。

鈴木みゆき社長は同日、成田空港での就航式典で「日本の空の旅に 新しい時代が訪れる、低運賃でより多くの選択肢を持つ旅が提供される ことになる」とあいさつ。続けて「幅広い層の方に空の旅の門戸が開か れ、家族や友人に会いに行ったり、ふらっと旅に出ることが誰にでもで きるようになる」として従来以上の航空機利用の拡大に期待を示した。

また、同式典に出席した、ジェットスターグループを傘下に持つ豪 カンタス航空のアラン・ジョイスCEOは「発表から1年以内で、計画 を5カ月前倒しして就航できたことをうれしく思う。これも日本航空を はじめとする日本のパートナーの協力があったため。今後、ジェットス タージャパンが日本の航空業界を大きく変えることを確信している」と 述べた。

先行ピーチを追い上げ

ジェットスターJは、日航とカンタスグループ、三菱商事の3社の 出資により設立され、その後、東京センチュリーリースも資本参加し た。機材はエアバスA320で座席数は180席。3年後には同機を24機 まで増強する計画。3月から運航開始しているピーチを追い上げる。

ジェットスターグループはカンタス航空のLCC部門で、豪州、ニ ュージーランドを拠点に17カ国で運航している。日本では2007年にジェ ットスター航空が海外のLCCとして初めて運航を開始した経緯があ り、国内市場では一定のブランドを築いている。

航空業界などを研究している城西国際大学観光学部助手の鳥海高太 朗氏は、ジェットスタージャパンの就航について「日本の空が本格的に 変わる第一歩となるだろう」と述べた。その上で「国内線では、主要路 線の搭乗率は180人乗りの機体で問題はないはずだが、地方路線につい て、今後いかに搭乗率を高めるかが課題」と分析。また、「ジェットス ターが、羽田と比べ比較的遠いとされる成田へのアクセスでのデメリッ トの問題をどう克服できるかがポイントになるだろう」と指摘した。

LCC向けにサービス強化

LCCの就航が増えてきたため、バックアップ体制も構築されつつ ある。成田空港の新社長に就任した夏目誠氏は、6月27日の就任会見で 「LCCは新規需要を掘り起こし、将来は路線ネットワークの担い手に なる」と期待を示した。

同空港はLCC向けの第2旅客ターミナルの開場時間を午前3時半 に早めるほか、専用ターミナルの建設を進めている。夏目社長は今後の 就航促進に向け様々な準備を実施する考えを示し、LCC各社から要望 の出ている着陸料引き下げなども検討課題とした。

また、バス会社もジェットスターJの就航に併せて新サービスを提 供する。京成バスは東京駅-成田空港間の高速バス「東京シャトル」の 運行を7月から開始する。1日15往復から始め、料金は早期のインター ネット予約などを活用した1000円から当日券の2000円に設定。大室健社 長は会見で「LCCではなくLCB、ローコストバスを目指す」と語 り、需要に応じて増便も検討したいと付け加えた。

8月にはライバルLCC就航

LCC向けの環境整備は進むものの、ジェットスターJは安閑とは していられない。ライバルLCCとの厳しい競争が待っているためだ。 全日空の子会社のエアアジアジャパンが8月1日に成田空港を拠点とし た運航を開始する。エアアジアは6月には導入機体の内覧会を実施する など着々と準備を進めている。

その他、成田には新たにシンガポール航空のLCC、スクートが10 月にもサービスを開始する。現在海外から日本市場に乗り入れている LCCは10社。日本はLCCにとっては最後の巨大市場として今後まだ まだ参入組が増加する勢いで、各社による顧客争奪を巡る価格やサービ ス競争は一段と激しくなりそうだ。

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