NY外為:ドルが対ユーロで上昇-米製造業活動の縮小で

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ニューヨーク外国為替市場では、ド ルがユーロに対して上昇。米製造業景況指数が予想外に活動縮小を示 し、景気回復のけん引役とみられてきた製造業の失速が示唆されたこと で、安全資産であるドルの需要が高まった。前週末には8カ月ぶり大幅 安となっていた。

ユーロは対円で反落。ユーロ圏の失業率が統計開始以降で最悪とな ったことが手掛かり。円はこの日、主要通貨の大半に対して上昇。米供 給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業景況指数では、製造業活 動がほぼ3年ぶりに縮小したことが示された。ブラジル・レアルは円と ドルに対して値上がり。ブラジル中央銀行が先週、通貨スワップ入札を 実施したことを受けた。

オッペンハイマーファンズのポートフォリオマネジャー、アレッシ オ・デロンジス氏は電話インタビューで、「ISM製造業景況指数は、 市場予想よりも相当悪かった」と指摘。「市場はネガティブサプライズ への準備はできていたが、準備していたのは、より規模の小さなサプラ イズに対してだ。現在、世界的に経済はリセッション(景気後退)にあ る。少なくとも製造業の観点からはそういえる」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時54分現在、ドルはユーロに対して前週末 比0.6%高の1ユーロ=1.2587ドル。前週末29日には1.8%安と、昨年10 月27日以来の大幅な下げとなっていた。ユーロは対円では1%安の1ユ ーロ=100円08銭。前週末は2.2%高と、終値ベースでは2011年3月以来 の大幅高となっていた。円はドルに対して0.4%高の1ドル=79円51 銭。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)の発表によると、ユー ロ圏の5月の失業率は11.1%と、4月の11%を上回り、1995年の統計開 始以来の最高となった。これも手掛かりにユーロはドルと円に対して値 下がりした。ブルームバーグ・ニュースが実施した調査では、欧州中央 銀行(ECB)が5日に政策金利を引き下げると見込まれている。

ECBへの圧力

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の外国為替戦略責任者ジェレミー・ストレッチ氏(ロンド ン在勤)は、電話インタビューで、「欧州の経済指標は、相対的に見て 依然厳しい状況にある」と指摘。「失業率の数字はECBに政策緩和を 促す一定の圧力になる」と続けた。

ドルは主要16通貨中10通貨に対して値上がり。6月のISM製造業 景況指数は49.7と、前月の53.5から低下した。同指数で50は製造業活動 の拡大と縮小の境目を示す。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予 想の中央値は52.0だった。

ブラジル・レアルは1.1%高の1ドル=1.9869レアルと、約1カ月 ぶりに1ドル=2レアルの節目を突破した。

通貨スワップ入札

ブラジル中銀は、欧州債務危機の混乱からレアルを守るため、6 月27、28、29日に計89億8000万ドル相当の通貨スワップ入札を実施し た。同中銀はこれまで、輸出企業支援のためドル買い・レアル売り介入 を実施してレアル安に誘導してきており、レアルの下支えを狙った通貨 スワップ入札は政策の転換となる。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のド ル指数は、0.3%上昇の81.856。

ブルームバーグのエコノミスト調査では、ECBは今週の政策決定 会合で、政策金利を0.75%に引き下げると予想されている。

ソシエテ・ジェネラルの為替調査責任者、キット・ジャックス氏 は、投資家は「どこからともなく魔法のような瞬間を作り出すのに、 ECBに頼らざるを得ない状況となっている」とし、「5日には利下げ が決定されるだろう。現時点で成長支援のためにECBができる最善の 措置は政策金利の引き下げだ」と述べた。

原題:Dollar Gains as U.S. Factory Gauge Drops; Brazilian Real Climbs(抜粋)

--取材協力:David Goodman.

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