天然ガスブームに沸く米国がロシア を揺るがせている。シェール(頁岩層)を掘削する水圧破砕の技術開発 で国営ガス会社ガスプロムが世界最大の敗者になるリスクが高まってい る。

米国はもはやロシアのガスを当てにしなくてもよくなっている。プ ーチン大統領は北極圏でガスプロムが開発を進めているシュトックマ ン・プロジェクトの救済に全力を挙げている。世界最大のエネルギー消 費国、中国も国内のシェール開発に力を入れており、ロシアからパイプ ラインを敷設することに消極的だ。ガスプロムの輸出は年初来で約14% 減少しており、株価は8.9%下落した。

ロシアには約13兆ドル(約1000兆円)相当のガス鉱床があり、10年 前には不可能だったシェール開発によって米ペンシルベニア州や中国で 進んでいるエネルギー革命の大きな影響を受けざるを得ない。ガスプロ ムはガス生産で最大手だが、1991年の旧ソ連崩壊以降で最も厳しい市場 環境に直面している。米エクソンモービルなどの競合企業が新技術の開 発でリードしガスプロムの売り上げが低下しているためだ。

元BP幹部で現在は世界のガス市場のコンサルタントを務めるアン ディ・フラワー氏は「ガスプロムはシェールガスに関して現実を直視し ていないようだ」と述べた。

プーチン大統領は4月に国内のエネルギー各社に対しシェールの開 発に「挑戦」するよう指示した。今週サンクトペテルブルクで行われる 国際経済フォーラムの開幕前のコメントで、北極圏シュトックマン開発 を推進するよう呼び掛けた。

ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は21 日、仏トタル、ノルウェーのスタトイル首脳とシュトックマン・プロジ ェクトの新株主合意を目指しつつ月末までに同計画をどうするか決定す るために協議した。トタルとスタトイルは同計画の49%の権益を握って いる。

エネルギー政策研究所(ワシントン)の調査担当シニアアナリス ト、ベン・モンタルバーノ氏は、シェールガス革命についてガスプロム が「適応するには苦痛が伴うだろう。生産見通し、価格決定力、売上高 に響く」と述べた。

ガスプロムは世界のガス市場に対するシェールの脅威について、欧 州の需要は堅調が続き、過剰在庫による米国のガス価格急落は一時的だ として一蹴している。

原題:Gazprom Biggest Loser as Shale Gas Upends World Markets: Energy(抜粋)

淡路毅 +81-3-3201-2107 tawaji@bloomberg.net

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