米国債:上昇、利回りは過去最低を更新-欧州や米成長を懸念

31日の米国債は上昇。5年、7 年、10年債の利回りは過去最低を更新した。欧州債務危機が波及してい るとの懸念や第1四半期の米実質国内総生産(GDP)改定値が速報値 よりも下方修正されたことが背景にある。

国際通貨基金(IMF)がスペインの銀行問題をめぐりで対応策を 協議しているとの米報道やギリシャの世論調査で救済支持派政党への支 持が見られたことに反応し、10年債利回りの下げ幅が縮小する場面もあ った。30年債利回りは一時、2008年12月以来の水準まで落ち込んだ。米 週間失業保険申請件数が市場予想を上回り、1日に発表される5月の米 雇用統計で雇用者の伸びが予想を下回るとの見方が強まった。ゴールド マン・サックス・グループは10年債利回りの予想を引き下げた。

フェデレーテッド・インベスターズの債券市場ストラテジスト、ジ ョゼフ・バレストリノ氏は、「利回りがどれほど低下するのかについて は何とも言い難い。このような低水準はこれまでに見たことないから だ。究極の恐怖感というのが材料だ。理屈ではない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、午後3時58分現 在、10年債利回りは5bp下げて1.57%。同年債の価格(表面利 率1.75%、2022年5月償還)は15/32上昇して101 21/32。

10年債利回りは一時、過去最低の1.5309%まで低下、5年債と7年 債の利回りはそれぞれ0.63%と0.98%まで低下した。

10年債利回り1%も

セージ・アドバイザリー・サービシズ(テキサス州)のパートナー で運用担当者のマーク・マックイーン氏は「利回りが1%をつける可能 性もあるだろう」と述べた上で、「しばらくこのままの状態が続いた後 で、2008年の危機を繰り返さないように欧州で対応策として資金を注入 するだろうとみている」と述べた。

30年債利回りは6bp下げて2.65%。連邦準備制度理事会 (FRB)が1953年から集計したデータによると、過去最低は2008年12 月18日に記録した2.509%。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによる と、米国債のリターンは今月に入り1.6%となっている。

ゴールドマンの予想

ゴールドマンの債券戦略共同責任者フランチェスコ・ガルザレリ氏 率いるストラテジストらは31日付けのリポートで、年末の10年債利回り 見通しを2%と、従来の2.5%から下方修正した。同社は来年末の同利 回り予想も2.5%と、従来予想の3.25%から引き下げた。

10年債利回りの相対力指数(RSI、14日間)は前日に28.5まで低 下した。30を割り込む水準は、下げが速過ぎて上昇に転じる可能性を示 唆している。

米国債は過去最も割高とされる水準に近づいていることが示唆され ている。FRBのエコノミストが開発した金融モデルに基づくタームプ レミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイナス0.91%と、最も割高な 水準となった。マイナスのタームプレミアムは適正水準を下回る利回り でも投資家が積極的に受け入れていることを意味する。

米商務省が発表した第1四半期(1-3月)のGDP改定値は前期 比1.9%増と、速報値の2.2%増から下方修正された。

また米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済 み)は、前週から1万件増加して38万3000件。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト予想は37万件だった。

WSJの報道

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)はウェブサイト で、IMFの欧州部門はスペインがバンキア・グループの救済に必要な 資金を調達できない場合の緊急対応策について協議を開始したと報道し た。

IMFによると、スペインに対しては金融支援の用意はしておら ず、スペインも支援は要請していない。IMF報道官が明らかにした。

IMFのジェリー・ライス対外関係局長は31日、ワシントンで記者 団に対し、「スペインから金融支援の要請は受けていないし、IMFも スペインに金融支援を行う計画は立てていない」と述べた。

原題:Treasury Yields Fall to Records on Europe Debt Concern, Economy(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger、Rita Nazareth.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE